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千文字悪役令嬢  作者: うたた寧々


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8/64

千文字の事実

前回のあらすじ。

クララは立派な人だけど、ちょっとファリアを大事にしすぎる節があります。

イザベラ様との会話から得たものは数多かった。


時折噂に聞くイザベラ様は残酷で冷酷、

人を人とも思わないような極悪非道らしかった。


普通の女の子のように笑ったり、

呪いについては真剣に語る様子からは、

とてもそうとは私には思えなかった。


呪いについては、いくらか新事実を得ることができた。


一つ、千文字姫の呪いは、一定の若い令嬢のみかかること。

40歳以上の女性には発現例がひとつもないという。今のところは。

また貴族以外でも、商家の娘などもかかる場合があるらしい。


一つ、千文字姫の呪いはおそらく他者には感染せず、

何らかの意図で魔術的に付与されたもの。

数日一緒に過ごしても、魔力交換を行っても、

性交渉をしても特に感染は確認できなかったという。


一体誰と誰の事例なのか尋ねたが、

イザベラ様は無礼を指摘し、頬を赤らめて話さなかった。

何なんだ。


しかし解呪するにはあまりに複雑な鍵呪文が何重にも重ねがけされており、

真正面から解読すると天文学的時間がかかるという。

時を繰り返すイザベラ様が天文学的だと言うのだ、実質不可能なのだろう。


一つ、千文字姫の呪いは転生処置で異世界の人間を肉体に呼び込むことで

一時的に精神を守ることができる。


神聖院が施すことになっている転生の手順や詳細は一切明かされていない。

いつ転生するのかもよく分かっていないらしい上

転生処置から精神を取り戻した令嬢は今のところ一人もいない。

いくらなんでももう少しコントロールしてほしいものだ。


一つ、千文字を語りきった後どうなるかは

個人差があり、その時の状況により様々な症状があるという。


虚ろな目をして何も話さなくなったり、

何もかもに怯えるようになったり、

幽霊が見えると言い出したり、

暴れ出して人を傷つけたり、

神経が焼き切れるほど膨大な魔力を使ったり。


中には余計な尾びれ背びれもあるだろう。

情報収集しやすいということで

私は引き続き魔法学園に滞在することとなったが

生徒たちは皆私のことを遠巻きにし、近づこうとしなかった。


私が出席すると知った途端逃げ出して寮に引きこもった子もいる。


(仕方ないとはいえ、傷つくなあ)


唯一話してくれるのはカテジナくらいのものだ。

昼休み、他の令嬢を慮って用意された別室。

隣で美味しそうに昼食を取るカテジナを見やる。


呪いのことなど気にもしない風に

カテジナの前の料理が端から消えていく。


私は戸惑ったように首をかしげる。

カテジナはやや間をあけて話し始めた。

自分にトラブルがあったときも変わらず友達でいてくれる方こそ大事にすべきですわ~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!

それ以外は割とどうでもいいですわ~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!

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