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千文字悪役令嬢  作者: うたた寧々


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公爵との会談

前回のあらすじ


公爵邸で一晩眠りましたが、ファリアは悪夢にうなされるようになってしまいました。

ホワイト公爵邸の食堂。


長い食卓に、男爵令嬢から見たら豪華絢爛としか言いようがない朝食が並ぶ。


エッグベネディクト、スコーンにクロテッドクリーム、よくわからない煮物、ハムも各種取り揃えてある。


美味しい紅茶にミルクにケーキまで。


(これを食べ終えたら、公爵と会談か……気が重い)


今朝起きたところ、ホワイト家の執事からそのように言伝があった。


断っても構わないが、ベルも交えて是非お話したいそうだ。


(一介の男爵令嬢が上の階級の人間の誘いを断れるわけないのに、と今までは思っていたけど)


不思議と今までの自分とは異なる感覚が全身に満ちている。


(全能感……? 多分今なら、公爵相手でも全然怖くはないな)


魔王の子孫だとわかったと言っても、私は今の魔界については何も知らないに等しい。


第一、父がどういう経緯で私を拾うハメになったのかも聞き出せていないのだ。


一体何を言われるやら見当もつかなかった。


「安心なさい。 悪いようにはしないわ」


「それ悪役が言うセリフなんですよねえ」


ベルがきゅっと自身の口元をナフキンで拭う。


「少なくとも善人ではないわね」





のんびり庭園を散策していたが、時間が来ると、執事が迎えに来た。


長い長い廊下を執事について歩き、ひときわ重厚な両開きの扉の前に立つ。


「旦那様。 ()()()()()()()()()()()()()お嬢様がお見えです」


「入れ」


ノックとお決まりの問答の後、私は室内へ通された。


私の名前が先に呼ばれた。


魔王の血族はそれほどまでに位が高いのか。


「お父様。 お友達のファリアをお連れしましたわ」


「お初にお目にかかります。 公爵閣下。 ファリア・アルテイシアと申します。

 先日は泊めていただき感謝していますわ」


なるべく丁寧にカテーシーをして見せる。


ホワイト公爵は一瞬私の目を見て感嘆のため息をもらした。


「……よくいらっしゃいました。 ロードライト・ホワイトです。 あまりかしこまらず、どうぞおかけに」


そつなく挨拶をこなし、応接セットのソファに腰掛け、早速話に入る。


「妻の件で慌ただしくて申し訳ない。 屋敷についたのは既にご就寝の後だったようで。

 娘の呪いを解いていただき、心から感謝いたします」


感情が一定の、実に貴族らしい喋り方をする人だ。


後日王家から褒章の話が来るだろうこと、その前に、望むものはあるかという話だった。


「何でも良いのですか」


「ある程度は……聞き届けていただけるかと」


「……では」


一つ、どうしても気にかかることがあった。


「私がどうしてこのような状態でここにいるのか、ご説明いただきたい」


ですわ、を大分間があいて付け足した。


どうも魔族の自覚が出てから、口調が簡潔になりがちだ。


「過剰な敬語は省略して構いません。 貴女にはそちらのほうがお似合いだ」


それはとても助かる提案だった。


「さて、最もな疑問ですが……それでは褒章には足りません。 私で話せる範囲でよろしければ、お伝えしましょう」


長くなりますが、と言いながら、公爵は深くソファに腰をうずめた。





ホワイト家は代々記録を司ってきた。


裁判における最も強力な証人であり、王家に次ぐ発言力のある家柄であり、最も国にとって有益な選択と採決をもたらしてきた。


そんなホワイト家も頭を悩ます問題があった。


――魔族との戦争だ。


以前は小競り合いなんて可愛いものではない。


魔界とオルスフェーン王国の大戦争で双方疲弊しきっていた。


魔族は強力な魔法を並列して使いこなし、あっという間に焼け野原を作り出す。


人間は魔力こそ魔族よりは微力ながら、知恵と嘘と工夫を凝らし、魔族達を欺き、騙し、策を実行し続けた。


魔族はとても騙されやすく、人間だけでもそこそこ太刀打ちできたのだ。





「そうだったのですか。 私はちょっと小競り合いがあった程度だと教わってきました」


「今は、()()()()()()から」





このままでは双方身を滅ぼし、強大な憎悪と怨嗟を増やすだけだった。


そこで立ち上がったのが、元ホワイト公爵の妻である、リリィ・ホワイトだった。


彼女は戦争の大元となる、魔族による王太子暗殺未遂事件の前まで時間遡行を実施し、特使としてなるべく平和に戦いが終わるよう務めると決めた。


公爵は止めたが、息子と娘を守っていてほしいとリリィに断られる。


戦争勃発は百年も昔の出来事だ。


時間遡行の際、損傷など異常状態は回復しても、成長が止まるわけではない。


リリィは二度と生きて帰るつもりはなかった。


公爵が泣いて止めても彼女は意志を曲げることなく、離婚は無事成立した。



過去からの通信手段は限られる。


王宮図書館に所蔵される、建国時から保管されている数冊の絶対記録紙(カンニングペーパー)をまとめた日記帳だ。


過去でこの日記帳に書き込めば、それは()()()()()()し、未来からも書き込めば()()()()()()ことが可能だ。

SFも混ざってきましたわ~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!


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