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千文字悪役令嬢  作者: うたた寧々


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千文字の会話

前回のあらすじ


アリスフィアからの協力を無理やりむしり取ったあと、きちんと証拠隠滅をした一行。

「……怖いわよ。 今でも震えが止まらないわ」


アリスフィアの榛色の目が伏せ気味になり、キャメル色のゆるやかなウェーブの髪で顔が見えなくなる。


「でもホワイト家にバレたらもうおしまい。 一蓮托生なのよ。

 それなら恩を売っておくのが処世術ってやつでしょう」


「……ケーシィは……ケーシィはどこ!?」


聞くのがためらわれたのだろう、カテジナが詰め寄る。


「……安心なさいな。 彼女も生きてるわ……」


顔を上げたアリスフィアが、少し目を逸らした。


「先に呪いを何とかしないと。 あの子はずっと囚われてしまうわ」


「……」


カテジナは納得したようで、アリスフィアから離れた。


「次の巡回まで時間がない。 透明化して。 急いで」


アリスフィアの案内で、私たちは呪いの根源を見に行くことになった。





先程地下へ降りた階段を、今度は上へと上がっていく。


窓から見える景色も変わり、随分と高いところまで来た。


厳重に閉じられた両開きの重たそうな黒い扉には、細かく金細工が散りばめられている。


「千文字姫に感謝を」


合言葉だろうか。


扉は静かに開き、中に居た男性とアリスフィアは目を合わせ、交代した。


「これは……」


扉が閉じたのを確認した後、標準的な礼拝堂ほどの部屋の中央へ移動する。


大人が5人分は高さがありそうな、複雑な魔法陣が宙に浮かんでいる。


緻密な古代文字と不規則な記号で編まれた、精緻な文様は、ある種の荘厳さを帯びていた。


「警備が手薄なのは、見ても誰にもどうしようもないからなの」


魔法は隠密のためあまり派手な魔法陣は利用しない事が多い。


いにしえの魔法は常に魔法陣を必要としたらしい。


今の魔法陣の役割といえば、魔法を複雑にし、解除不能とすることだった。


魔法陣を解くには、解除に使うたった一筋の魔力経路を導き出さねばならない。


「解除には優秀な魔術師でも1京年はかかると言われているわ」


「そんな……」


私の手から離れ、ベルがふらふらと魔法陣に近寄っていく。


「次の交代まで二時間といったところね。 私の協力では()()()()()()()()()()()ここまでが限界。 次の機会は、多分もうないわ」


「ど、……どうする? 私は正直、魔法陣なんて触ったこともないわ」


カテジナは武家家系だ。


魔法陣などうろ覚えの基礎程度だろう。


アシュレイ嬢もあまり詳しくはなさそうだ。


(私とベルならおそらく、時間をかけさえすれば解ける……でも)


「不可能よ……膨大な数ループしても、私の精神が持たない。 先に魔力が枯渇するわ」

ご安心ください!!!主人公はチートですわ~~~~~~~~~~!!!!!!!

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