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千文字悪役令嬢  作者: うたた寧々


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35/63

千文字の選択

前回のあらすじ


捕まっていたアシュレイ嬢を仲間に加え、一行は個室の外へ出ようとします。

4人で透明になり、こっそりとドアを開ける。


ここは長い丁字路の突き当り、前に進めば薄膜のベッドの群れを越えて元のパーティー会場に。

左右は、立ち込める怪しげな煙でよく見えなかった。


「ひとまず右に行きましょう。 問題があれば、イザベラ様頼みますわよ」


手をつないで通路を進む。


途中給仕とすれ違い緊張が走ったが、給仕はドゥーイの個室の札を見ると他所へ行ってしまった。


突き当りは鉄格子に遮られた階段があった。


「大丈夫、ちょっとだけ隠れてて」


カテジナがひょいと鉄格子を突き抜け、鍵を開けて戻ってきた。


「さすがに壁抜けは皆には難しいからね」


(……)


階段は上下に延びている。


私たちは地下をまず見ていくことにした。


私は一つ疑問に思っていたことがある。


(この施設、あまりにも魔法に対しての警戒がお粗末じゃないかしら?)


まるで忍び込まれても大して困らないとでも言いたげだ。


考察に耽りながら皆に手を引かれて進むと、そこには大きな水槽があった。


(……綺麗)


口からため息が出そうになった。


紫に発光する透き通った液体の中、オーロラ色のウェーブがかった髪が広がる。


目を閉じた美しい女性だ。 かなり年上に見える。


「……お母様?」


(え?)


聞き間違いだろうか。


「お母様だわ、間違いない……どうしてここに。 お母様は亡くなったはず」


イザベラ様の手をとんとん叩く。


(文字を消費しすぎです)


はっと息を呑んだ気配がして、イザベラ様は静かになった。


「前ホワイト公爵夫人? 確か亡くなったはずでは……」


カテジナが興味深そうに水槽を眺める。


水槽は様々な魔力回路に繋がれており、魔力を何らかに利用されているのは明らかだった。


(人体からの魔力リソース抽出、とっくに法的に禁止されている技術のはずなのに)


魔族との小競り合いがあった頃、魔力を持つ人間をかき集め、一瞬にして敵の土地を焦土と化す大型魔力兵器の開発が進められたことがあった。


人体への負荷があまりに大きく、家族や遺族から反発もあり、孤児や浮浪者しか使えなくなってしまい、結局計画は頓挫したと歴史の授業で教わった。


何度呼びかけても、イザベラ様の母親らしき女性は目を覚ます気配はなかった。


「今は撤退するしかなさそうね」


カテジナの言葉に同意し、私は記録魔法で証拠写真を撮影する。

その時だった。


「その必要はないわ」


鋭い水の刃が、私とイザベラ様の間に突き刺さる。


硬質の床に大きく亀裂が入った。


当たれば死ぬ。


そう直感した。

ちなみに文字数はカウントしてますわ~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!

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