千文字の告白
前回のあらすじ
神聖院の中央教会の奥の奥。怪しげな空間でドゥーイ伯爵を追い詰めた3人でしたが。
不快極まりないので、ドゥーイ伯爵の告白は割愛する。
(要するに、貴族令嬢と遜色のない演技をする奴隷を好きに犯せる出し物だと……)
アシュレイ嬢とはイザベラ様が過去に面識があった。
たしかに物腰や発言はアシュレイのもの、髪色や目の色は似せてあるが、根本的に見た目が異なるという。
(魂のみ奴隷と入れ替え、こうして娼婦として秘密裏に扱われていたと)
本当なら大犯罪もいいところだ。
神聖院は転生時の寄付金で大儲け、更に貴族を犯せる商売で二重に大儲けというからくりだろう。
「そんな……酷い話」
カテジナが明らかに落胆しているのがわかる。
この事実から分かったことはたくさんあるが、『神聖院は引き取った令嬢を生かして帰さない』可能性が高い。
ここでドゥーイ伯爵一人変死させたとして、根本解決には気の遠くなる時間がかかりそうだった。
「ふん、どうせ俺はおしまいだ。 お前にいいことを教えてやるよ」
いけない、と思ってカテジナの耳を抑えようとしたが、どこが耳かわからなかった。
「ここにはもーっと高い料金を払えば、本物の貴族を抱かせてくれるメニューもあるんだぜ。 ヒッヒ。 端からずたぼろになるまで犯してやったけどな!」
「貴様ぁああああああ――――――――――――!!」
ごうと唸りをあげる衝撃波に、私もイザベラ様も弾き飛ばされる。
ベッドに縮こまっていた少女もヘッドボードに叩きつけられる。
カテジナの魔力の奔流が室内の魔力を灼き尽くす。
魔力暴走は、本人の魔力の性質に強く依存する。
カテジナの魔力を浴びたドゥーイ男爵は、跡形もなく消えた。
存在が無となったのだ。
「ドアが!」
ドアが弾け飛び、周囲が騒がしくなってきていることを皆に伝える。
イザベラ様のため息が聞こえた。
◆
「ふん、どうせ俺はおしまいだ」
そこまで喋ったところで、静かになる。
口をパクパクと開いているが、何も聞こえない。
(イザベラ様、喉の時間を止めたのか)
イザベラ様は縮小魔法をかけ、伯爵を小さな木箱に詰め込んでしまった。
「尋問は後。 ケーシィと情報を探す」
残り文字数を無駄にしないよう、イザベラ様がごく短い提案を口にする。
「ご、ごめん……私が引っ張らなきゃいけないのに」
時を戻した後は、必ずイザベラ様が喋る。
潜入前に皆でそう決めた。
あの男を喋らせ続けると、不味いのだろう。
カテジナが木箱にも透明化の魔法をかけ、部屋を後にしようとした。
「わ、私も……連れて行ってください!」
少女が口を開いた。
可哀想な身の上とはいえ、敵の組織の人間ですわ~~~~~~~~~~!!!!!!!!!
人としては助けたいところですが連れていくの結構勇気がいりますわ~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!




