千文字の予感
前回のあらすじ
ファリア、イザベラ、カテジナの3人は、アリスフィアから教えてもらった中央教会への潜入に成功。
透明化しながら乱痴気騒ぎの中、さらに奥の部屋を調べますが……
悪い予感は大体的中するものだ。
ドゥーイ伯爵はいくつかの扉を抜け、怪しげな香りの充満するフロアに通される。
レースのカーテンが幾重にも重なったベッドがそこかしこに置かれ、中からは悲鳴と嬌声と嗚咽と謝罪とがいくつも聞こえてきた。
私はなんとなく、ここで何が行われているのか察してしまった。
(っ痛……)
カテジナがぎりぎりと私の手を締め上げる。
(カテジナは……これ以上は観ないほうがいいのでは)
カテジナの幼馴染であるケーシィ嬢は、ここに囚われている可能性が高い。
あまり神経が高ぶると、魔力にぶれが生じる可能性が高く、危険だった。
カテジナに大丈夫か伝えると、尾行続行を指で示してきた。
ドゥーイが通されたのはドアを開くタイプの個室だった。
「ごゆっくりお愉しみください」
給仕は義務的に挨拶を述べ、立ち去っていった。
ベッドの上には一人、少女が鎖につながれていた。
「こ、ここは、どこですか? 貴男はどなた? お願いです、助けて……助けてください」
ドゥーイはにたりと笑い少女に手をかける。
「嫌です、嫌だ、やめて! 私アシュレイ・メイヤードよ! 私に手を出せばメイヤード家が黙ってないわ!」
ドゥーイは少女を思い切り平手打ちにする。
「ぎゃっ!」
「そのクソメイヤードに騙されて俺は散々迷惑を被ったんだよ!」
「体で返すんだな! ギャハハハ!」
限界だった。
イザベラはドゥーイの手足に枷を作り出し、カテジナは防音範囲魔法を発動。
私はナイフを首にあてがう。
「な、何だ!?」
「ひっ」
事前に決めていたことだ。
もし目の前で加害が行われそうなら、何としても止めると。
「ちょっとお話いいかな、クソおっさん。 防音魔法を張ってるから、叫んでも助けは来ない」
カテジナが透過状態のまま尋問を開始する。
声も少し魔法でいじったようで、どう聞いても若い男性の声だった。
襲われかけた少女は目をぱちくりさせている。
「何、ちょーっと神聖院を裏切ってもらえればいいんだ。 ここで何が行われてる?」
ドゥーイ伯爵はさっきまであんなにイキイキとしていたのに、急にどっちに転んでも自分の命が割と危ない状況にあることに気づき、顔を青くしている。
「い、言えん」
「言え……ませんだろうがこのデコ助!」
見えない蹴りをかますカテジナ。
怖い、私がゲロってしまう。
カテジナの雰囲気に合わせてナイフをほっぺにひたひたさせる。
ドゥーイ伯爵はどうしようもないと観念したのか、知ってることをぽつぽつ話しはじめた。
カテジナさんは騎士団での練習に乗り込んだりもしてるので、実はちょっと粗暴な言い方のほうが楽みたいですわ~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!




