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千文字悪役令嬢  作者: うたた寧々


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31/64

千文字の潜入

前回のあらすじ


いよいよ中央教会に乗り込みます。さすがに派手な武器とかは持っていけないようです。

中央教会は非常に広い施設だ。


高い塀に囲まれ、入口は正面の正門と裏口のみ。


主に貴族へのもてなしや、各施設の収支のとりまとめ、司祭の会議や大司聖の選出など、市民が祈るために利用する教会とは異なる目的で利用される。


そのため正門も裏口も、身分証明がなければ入れない。


(魔法を使ってしまえば、造作もないけどね)


カテジナが物陰で透明化の魔法をかけてから、結構な時間が過ぎていた。


すでに太陽は落ち、あたりは真っ暗。


イザベラが魔力で階段を作り、カテジナが透明化する。


こんこんと音が鳴る。 登れという合図。


正門から少し離れた場所で、潜入することに成功した。


透明になれば味方の姿も見えなくなる。


あらかじめ結んでいた糸をたどり、手探りで手を取り合う。


これは既に違法行為だ。


(しかも、神聖院に背くなんて)


アルテイシア家は神聖院とはあまり深い関わりはない。


それでも事あるごとに神や精霊に恥ずかしいマネをするなと教わってきた。


強い緊張と罪悪感。


正門には中央教会の職員が4名。


人の5倍ほどの高さの重々しい門を、人が来る度開いている。


また一つ、馬のいななきとともに馬車が訪れ、紳士が門を通された。


恰幅がよく、整ったヒゲを蓄えた正装の紳士が、何人か引き連れている。


イザベラ様がトントンと手をつついてくる。


(彼がドゥーイ伯爵だ)


3人の中ではイザベラ様だけが直接見たことがあった。


同じようにカテジナの手もつつく。


3人は転ばないよう慎重にドゥーイ伯爵を尾行した。





伯爵は、通された部屋で飲み食いを楽しんでいた。


会場はちょっとしたダンスホールほど広く、隅に寄れば人にぶつからない。


多額の寄付を行った者に、謝礼として食事会が催されることは知っていた。


(にしたって、これは……)


想像していたよりずっと豪華な宴。


参加者は貴族男性が多く、商人として有名な人物の姿もあった。


女性も少しいるが、あまり評判の良い人物ではない。


取り揃えられた肉や魚はその場で調理され、各地で評判の名物料理が並び、幻と謳われるワインまで。


異国の薄布を纏った裸同然の給仕が見たことない紫色の果物を切り分け、客の口へ運ぶ。


(これを月に一度? やりすぎに見えるけど)


聞き慣れない音楽が、場を更に盛り立てる。


異様な熱狂。


イザベラ様が何かを察したのか、私の手を強く握った。


しばらくして、伯爵は給仕に何かひそひそと話す。


「野兎の丸焼きをひとつ」


伯爵は給仕に案内され、更に会場の奥へと向かった。

次回もR15の限界を目指しますわ~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

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