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千文字悪役令嬢  作者: うたた寧々


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27/64

千文字の籠絡

前回のあらすじ


呪いの検証を進めていく二人。

巷では呪いだか病気なんだかふんわりした扱いでしたが、どうやら感染はせず故意にかけた呪いで確定のようです。

「……婚約者に頼むべきです」


ごく当たり前の話なのに、私の声には悔しさが滲み出ていた。


ホワイト家は王家とも繋がりが深い。


イザベラ様は第二王子エドワード殿下との婚約が決まっていた。


どういう仲かは知らなかったが、呪いを受けた彼女を見舞うことすらなかったようで、仲睦まじいわけではなさそうだった。


(呪いを受けたと分かった途端、婚約を保留にした男よ。 一度だって見舞いに来やしない)


手元のスケッチブックに、すらすらと王冠や敗れた書類の絵を描いてみせる。


(時を戻せば、どうせあなたは忘れてなかったことになる)


「それに……下心がないと思って?」


大きな窓からレースカーテンで柔らかく拡散された少しだけ欠けた月の光が差し込む。


オーロラ色の髪が様々な色に輝き、夢のように綺麗だ。


月明かりに照らされた完璧な姿の女神が、この青白い空間でも分かるほど頬を染めた。


品の良い白のナイトドレスから伸びる手が、私の頬を捉える。









こんなに美しい月を見たことはなかった。


大きく豪奢な装飾が施されたベッドに二人横たわる。


一切声を出してはならない情事は色々と大変だったが、これまでにないほどイザベラ様を近くに感じる。


「イザベラ様は長いわ」


「……ベル?」


イザベラ様は満足そうに微笑んで私の頭を撫でた。


「リア」


額をくっつけてくすくすと笑う。


幸せすぎてどうにかなりそうだ。


情を交わした後に親密な呼び方に変えるなど、順序がおかしい。


さっきまではとても可愛らしかったのに、すっかり元の調子だ。


結論から言うと、呪いは感染しなかった。


これで呪い持ちの令嬢達も、多少は生きる道筋が見えてきた。


(私は男性ではないので……そこは気がかりですね。 性転換の魔法でも使えればいいですが、あれは希少だし)


性差を叩き込まれる貴族で、性転換の魔法を使いこなせるものはごく僅かだった。


大抵からかいのネタになるので誰も使えることを話さない。


イザベラ様は照れたような、罰が悪いような、奇妙な顔をした。


机の引き出しから小さな小瓶を取り出し、私に差し出した。


(まさか)


(性転換の秘薬。 ……8時間で効果が切れるわ)


(最初からこれを使えばよかったのでは?)


「……最初はそのままのリアがよかったの」


ホワイト家は嘘つきの家系だ、と噂に聞いたことがある。


こんな可愛らしい嘘ならいくらでもついてほしいと思った。


今後彼女の結婚を大人しく見守っていられるか自信がないが、この後の実験も耐えられる気がした。

婉曲表現と、事実を書くことのみにつとめましたわ~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!

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