千文字の続き
前回のあらすじ
カテジナはホワイト家当主に見つかってしまうが、イザベラに救われ、初めてホワイト邸で生き延びることができた。
「……」
カテジナはすっかり怯えてしまっていた。
彼女達は知り合いではあったが、親しいわけではなかったので無理もない。
イザベラは地下倉庫に置いてあった時間遡行記録をカテジナに渡した。
「……アリスフィアの、オードリー侯爵の話までは読みましたわ。 続きを読めということかしら?」
(……何があったのかは気になる。 でも、これは私の手に負える?)
元より、命を救われた公爵令嬢相手に断る権利などなかった。
夕暮れ時の教室。
その時、アリスフィアは否定も肯定もしなかった。
「何を知っても、クララ・オードリーの助命に協力すると約束して。 でないと、何も話さない」
オードリー一族郎党が処刑されるような事態だということ。
「クララだけでいいの? あなた自身の助命も追加するべきだわ」
「私は……もういいの。 私の手はとっくに汚れているから」
それにアリスフィアは協力しているということ。
「わかった。 約束するわ」
「…………神聖院。 ドゥーイ伯爵が中央教会へ行く日、こっそりついて行きなさい。
貴女も悪事はほどほどにね。 でないと呪われるわよ」
イザベラはその後もクララの暴走を食い止めようとしたが、叶わなかった。
どんなに言葉を選ぼうと、無視しようと、トーマスはイザベラに告白するし、イザベラとクララの決闘は行われた。
決闘の後のクララへの処遇を変えても、オードリー家との関係悪化の後、クララは呪われ暴走した。
何故かその度に必ずファリアが犠牲者に含まれる。
イザベラはもっと前からループを繰り返すようになった。
「大丈夫? 顔色が悪いですよ」
ファリアが心配そうにイザベラの顔を覗き込む。
ファリアの顔を直視できなくなったのはいつからだろう。
「大丈夫よ。 私を誰だと思っているの?」
ループを繰り返すうち、イザベラはファリアをすっかり信頼していた。
ループのたび、イザベラはファリアの好感度と、貴族的なふるまいの習熟度は蓄積させていた。
今では学園の情報通として雑談もこなせる成長ぶりだ。
「どうしても解けない問題が出た時、貴女ならどうする?」
ファリアは口元に手をやり、ひとしきり考えた。
「イザベラ様が解けないとなると、人生とか人間関係系?」
「例え話よ。 私の話じゃないわ」
「解くこと自体を休んじゃうとか。
意外とのんびりした方が良い方法見つかりません?」
「はぁ……貴女は呑気でいいわね」
「公爵令嬢に比べたら大抵の人は呑気ですよ」
イザベラは気付いた。
休む事はまだ試していなかった。
おやすみは大事ですわ~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!




