千文字の過去
あらすじ
引き続き過去回想です。イザベラに蹂躙されかけたクララはファリアに助けられたようです。
「ああ、あなたがファリアね。 いじめられっ子の」
名前は聞いたことがあった。
男爵家出身で、社交界のマナーに疎く、
令嬢達のいい暇つぶしにされているファリア・アルテイシア。
「クララにも相当虐められていたのではなかった?」
「今彼女が窮地にあることと、私への扱いがどうだったかは無関係です」
そこに問題があるなら解決したがる、
かなり独特な感性の持ち主のようだった。
社交界では異質な存在だろう。
イザベラは興味を失ったように魔法植物の操作権をクララに戻す。
魔法植物は剥ぎ取られたケープなどをクララに掛けた。
「……?」
クララは状況がよく飲み込めておらず、ぼんやりと二人のやり取りを見つめていた。
「ヤギはただの――例え話よ。 そういう趣味はないわ」
「では何を献上すれば許していただけますか」
「そうねえ――」
イザベラはファリアを指さした。
「貴女。 私の奴隷になりなさいな」
「はぁ、お給金はいかほどでしょうか」
「出ないわよそんなもの。 それからトーマス!」
そっと現場から離れようとしていたクララの婚約者を指名する。
「……よく耐えたわね。 介抱して差し上げて」
本当はクララを見捨てようとしていたことを知っている。
クララに浮気の部分は伏せて伝えたのか、
それとも周囲が勝手に焚き付けたのかはもうわからない。
イザベラには興味がないことだった。
だが公爵家の人間がそうだと言えばそうだったことになる。
トーマスはクララに駆け寄り、そそくさと診療室へと連れていった。
クララは何かを諦めたような表情を崩さなかった。
なんだ終わりか、エロかったな、など、
好き放題喋りながら聴衆達は散り散りになっていく。
「貴女」
「はいぃ」
先程突然聴衆をかき分けてきた時の胆力はどこへやら、
ファリアの情けない返事にイザベラは毒気を抜かれる。
「私が恐ろしくはなかったの?」
ファリアはきょとんとした顔で答える。
「はあ、色んなご評判は伺っていますが、
どれも私が実際に見聞したわけではないので……
それに私は決闘相手ではありませんから、殺されはしないかなと」
「ここはとんでもない! からの褒め言葉で持ち上げるべきところでしょう。
あなた貴族としては0点もいいところね」
ため息をつくイザベラ。
「加点対象の評価軸が別にあるのですか?」
「玩具としては良いかもしれないわ」
「それは向いてる自覚があります。 皆さん楽しんでくれますから」
この日からイザベラにとっては不本意ながら、
奴隷改造計画が始まった。
トーマスにはトーマスなりの事情は一応ありますわ~~~~~~!!!!!!!!
ループの結果変わったのはイザベラだけではございませんのよ~~~~~~!!!!




