じゅういち
2人を見送った後、緊張の糸が切れた。
どかっとソファーに体を投げる。
さっきのふゆちゃんの言葉…。
みちるは、命の危険まで耐えていたのだろうか。
そして、ハルはそこまでみちるを追い詰めていた…?
うーん。
どうしたもんか…。
答えの出ない問題を延々と考えてしまう。
しかし、昨日の寝不足もあり、いつの間にかソファで眠ってしまった。
『あれ?ここ、どこだろう?』
モヤのような霧のような、雲のような中を飛んでいる。
しばらく行くと、次第に視界がはっきりしてきた。
外だと思ったら、どうやら病室のようで、ベットの周りに人が集まっている。
『お母さん…』
そう呟いたのは、娘だ。
息子と旦那もいる。
その中心のベットに寝ているのは…。
私だ。
『早く意識が戻るといいんだけど。先生の話では五分五分だそうだ。このまま、植物状態のままもあり得ると…。』
旦那が子供たちに話していた。
1番驚いたのは私である。
え!私、一生目覚めないの?
あれ?って事は、コッチに帰れないって事?
マジ?
プチパニックになっていると、頭の中で声がした。
『あなたがいる世界のみちるです。あなたの身体を借りてます。ごめんなさい。私、疲れちゃって。少し休ませてください。必ず、お返ししますから。もう少しだけ…。お願いします。
本当にごめんなさい。ハルのことお願いします。
ごめんなさい。』
……る
…ちる
「みちる!」
ハッとして飛び起きる。
目の前にハルが心配そうに顔を覗き込んでいた。
あれ?私は…。
ゆっくり身体を起こして、汗びっしょりなことに驚く。
「ママ、大丈夫?汗びっしょりでうなされてたよ。悪い夢見たの?」
夢…。
夢?
「ハル、
みちるがハルのことよろしくって。
もう少ししたら戻るからって。」
「ママ!みちるに会ってきたの?」
「会ってはいないんだけど、声が聞こえて。夢の中だったけど、多分ほんとのことだと思う。」
外はもう暗くなっていて、ハルが出かけてからかなりの時間が経っていたことがわかる。
今見た夢を整理したくて、シャワーを浴びてくると言って部屋を出た。




