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第9話 美術でペアワークってなんだよ

 「情報の授業は基本的に放任主義です。まずはパソコンを起動してください。」


 パソコンを起動か。昔、父さんにパソコンを触らせてもらったことがあるから少しだけわかる。

 確かここをこうやって…。


 ……スゥッ


 「お、ついた。」


 「はい、では次にこの学習用プラットフォームを開いてください。この学習用プラットフォームを各自で進める感じです。分からないことがあったら理解をしている生徒か、もしくは先生に聞いてください。」


 基本的に放任主義ってそういうことか。


 「さっき貰ったアカウントでログインしないといけねぇのか。」


 少しだるいなぁ。

 

 「少し貸してください。」


 「あ、ああ。わかった。」


 タタタタタッ


 はっや。希空ってタイピング早いんだな。

 アカウント入力って俺がやったら、最近やってないのもあって少し時間かかりそうだったし助かる。

 …これ授業中なんだよな?


 ザワザワ、ガヤガヤ


 「なぁ、一応授業中なんだろ?みんな喋ってるけど大丈夫なのか?」


 「…絢星さん、そういう所はほんと真面目なのなんなんですか。まぁそうですね。内容は理解をせずに進めるなら10日程度で終わりますから。私みたいな人はあまり喋らず、理解をして進めるので時間はかかります。ですけど、それでも1年を通して学ぶので、最終的には時間が余ることもあります。お兄様がそう言ってました。」


 「お兄ちゃんがいるのはいいとして、あの先生やる内容全部やっときゃ評定3はくれるもんな。そりゃ周りのやつと話して時間潰すわ。」


 ねっみ、まぁ希空がいるから寝るの許されないだろうな。寝たらまた起きてくださいって言ってくる様子が浮かんでくるわ。


 「皆さん、こちらを見てきますね。」


 「…あー、そういうことか?なぁ希空、今までクラスのやつとちゃんと喋ってたか?」


 「必要最低限の会話だけしていますよ。それ以外は話しかけられない限り自分から話しかけないので話してないですね。」


 それなら仕方ないだろうな。

 希空ってほんと、他人に冷たい感じだからな。人と話してないって言われても納得する。


 「あの…、今話すことではないのですが…。」


 「勉強を進めながらでいいか?」


 「はい、大丈夫です。」


 今話すことじゃないってなんだ?重い話とか難しい話なら俺わかんないから勘弁して欲しいんだけど。


 「四限目の美術のペアワーク、組んでくれませんか?」


 「四限目美術だったんだ。てか美術のペアワークってなんだよ。」


 「美術の先生は授業まで何をやるのか教えてくれません。なぜか今回はペアワークということだけは教えてくれてるようですが。」


 美術っていうか、芸術科目の先生はいい意味で個性強い人多い気がするんだよな。


 「私、いつもペアワークで何かをする時、1人でやっているので、誰かとやってみたかったんです。絢星さんなら、一緒でも安心できると思うので。」


 希空なら1人でも何とかなりそうだもんな。


 「ああ、俺はペアワーク一緒でも大丈夫だぞ。」


 「ありがとうございます。」


 希空の口角が少しだけ上がったような気がしなくもない。大人びてるけど幼いところとか、可愛いところあるんだな。

 その後、俺は希空にわかんないところを聞いたり、学習を進めたりして授業終了まで何とか起きることに成功した。


 「絢星さん、私は理事長に用事があるので先に戻っててください。」


 理事長に用事って…、ほんとに希空って何もんなんだよ。天才ってこたしか知らないんだけど。


 「おう、希空が理事長に何するかは聞くの怖いからやめとくわ。じゃあ先戻るな。」


 コツ、コツ、コツ


 てか、さっきも言ったけど美術でペアワークってなんだよ。


 「希空、少し嬉しそうにしてたよな。」


 気のせいかもしれないけど。

 なら四限目まで、少しだけ頑張ってみるか…。

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