第4話 母さんが子供みたい
「それなりには。別に困ったこともないし。」
「…嘘ついてる?」
はぁ、やっぱ母さんに隠し通すの難しいな。
「で、絢星は何に困ってるの?」
「ほんとに何もないよ。」
「それならいいんだけど。じゃあお母さん絢星のこと信じるよ〜?だけどもし何か困り事が出来たら教えてね。力になれると思うから。」
ほんと、優しすぎていつまで嘘つき続けられるかが分からない。
「あ、そう。聞きたいことあるんだ。」
「なに〜?なんでも聞いて〜?」
そろそろ、本当のことが知りたい。
「なんで、母さんは入院してんの?」
「あら?お父さんに聞いてないの〜?話しておいてって言ったのに〜。」
…父さんが隠してるだけだったのかよ。
母さんが言うには、長い間入院することになりそうだから俺にも入院の理由を伝えといてと頼んでいたらしい。
「私の入院の理由ね〜。」
俺は癌だと思ってるけど、それにしては長いけど実際どうなんだ?
「私、特発性大腿骨頭壊死症っていう足の病気なの〜。だから絢星がお見舞いに来る時ずっとベッドの上でしょ〜?」
特発性大腿骨頭壊死症、ってなんだ?勉強とかしないからこういう病名言われてもピンと来ないな。
「それってどんな病気?」
「私もよく知らないんだけどね〜。足の付け根あたり壊死してるんだって。けどこんなに元気だから絢星も安心していいよ〜。」
「私もよく知らないんだけどね〜。足の付け根あたり壊死してるんだって。けどこんなに元気だから絢星も安心していいよ〜。」
親が入院してるのに言われてすぐ安心出来るはずない。すぐ安心できるのは病気が軽い時か人の心がないやつかだろ。
「私、絢星にご飯作ってあげたいから、リハビリ頑張ってるんだよ。まぁちょっとだけ苦戦してるけどね〜。死にはしないよ〜。」
「そっか。」
「やっぱり桃も林檎も美味しいね〜。」
なんで病気の話してるのに呑気に食べられんだ?母さんのそういう切り替えの早いところは尊敬する。
だけどまぁ、なんていうか、その、もういいや…。
「食べるのはっや。また今度来る時買ってくるよ。」
「やった〜。じのあ楽しみにしてるね〜。」
なんか、母さん子供みたいところあるな。
そろそろ日も落ちてきたな。
「絢星、そろそろ帰る〜?」
「まぁ、明日も学校だし。」
俺は椅子から立ち上がって病室の扉に手をかける。
「あ、絢星〜。今度来る時絢星のご飯持ってきてよ〜。」
入院してる人に味が濃すぎるのってあんまダメだよな。母さんの場合そういう病気じゃないからよく分かんないけど、一応考えて作るか。
「流石に軽めのものしか持ってこないけど、それでもいい?」
「大丈夫だよ〜。絢星のご飯が欲しいんだもん。それじゃあね〜。」
俺は手を振って病室を出る。
通ってきたナースステーションや病院の受付を通って病院を出る。
「だいぶ暗くなったな。さっさと帰ろ。」
いつもより少し足早で帰ることにした。
惣菜食べたらすぐお風呂入って寝るか。
10分ほどして家についた。
いつも通り静かだな。
「惣菜より自分で作った方が美味いな。まぁ作るのめんどくさいしこれでいいか。」
食べ終わってすぐ風呂場に向かう。早く寝たい。シャワーだけで済ませてもう寝たい。
「体も頭も洗ったしもう出るか。」
体を拭いて寝間着を着て髪を乾かす。
髪を乾かし終わったらすぐに風呂場から出て自分の部屋に向かう。そしてベッドに横になる。
「はぁ、明日授業出ないといけないのだる…。」
まぁ父さんに学費払ってもらうためにもいやいや出ることにした。
そして俺は重い瞼を落として眠りについた。




