第36話 可愛らしいクラスメイト
「くそうめぇ。」
俺と希空は甘味処でたい焼きを買い、公園のベンチに座って食べながら話していた。
「希空、よくこんな店知ってたな。」
「お姉様と良く買いに来てましたので、ここの白あんのたい焼きが好きなんです。絢星さんはカスタードが好きなんですか?」
「まぁ、甘いものはだいたい好きだしな。カスタードは食べやすい味だからたい焼きだと1番好きかも。」
母さんの宇治抹茶と海音さんのチョコレート、他にも家に帰ってから食べる用に希空といくつか買ったはいいけど…、俺そんな食べれないんだよな。
「ん、食べ終わったし病院行くぞ。」
「そうですね。行きましょう。」
たい焼きを食べ終わった俺たちは立ち上がって病院はと足を進めた。
「お母様の病室は何号室なんですか?」
「513号室、エレベーターから近い場所だ。」
5階に着いたか、ほんとにすぐそこなんだよな。
コンコン
「どうぞ〜。」
声がしたのを確認して扉を開ける。
「やっぱり絢星だった。あら?横の子は誰かしら〜?」
「はじめまして、絢星さんのお母様。絢星さんのクラスメイトの一ノ瀬希空です。」
「ふふ、絢星にこんな可愛らしいクラスメイトがいたなんて、びっくりね〜。希空ちゃん、私は遥って呼んでいいからね。」
「で、では、遥さんと呼ばせていただきます。」
母さんも姉さんも希空に慣れるの早くないか?俺もう少し時間かかったんだけど。
「はい、これ買ってきたから。」
「なにかしら?」
「私のおすすめのたい焼き屋さんのたい焼きです。」
「希空ちゃんおすすめの、味はなんなの?」
「宇治抹茶てす。絢星さんが遥さんはこれが好きだと言うので。」
全部言うんだな。実際言ったけど。
「絢星はほんとにお母さんのことよく分かってるんだから!」
「はいはい、じゃあ俺、夜ご飯の買い出し行かないとだからもう行くな。」
「わかった〜。あ、そうそう。希空ちゃん1つだけお願いしていい?絢星は部屋出てて〜。」
「分かりました。」
「分かったけど、希空に変な事言うなよ。」
俺は母さんにそれだけいい病室を出る。
お願いって、母さんが希空にしそうなお願いって何があるんだ?
…何も思いつかないし、変なことじゃなきゃいいか。流石にあれだったら希空も自分でなんとか言うだろ。
そんなことを考えていれば扉が開き、希空が病室から出てきた。
「なんて言われた?」
「…秘密です。」
えぇ…。いや、まぁそれならそれでいいか。
それにしても、いい願いだったのか?少しだけ嬉しそうな顔してるし。
「じゃあ行きましょうか、絢星さん!」




