第37話 図星かな?
「おかえりー、2人とも遅かったね。それにしてもそれ何日分なの?」
海音さんが俺の持ってるレジ袋を見て言う。
「多分1週間分。買い出しにはそんな行きたくないから1回で済ませてんの。」
「効率厨だ。希空はそれ重たくないの?」
「絢星さんが大体持ってくれてるので私の方は重くないですよ。あと私、別に力ない訳じゃないので持てますよ。」
そうらしいけど、流石に重いもん持たせるのは気が引けるからあんまり持たせたくないんだよな。
「お姉様、結局絢星さんのお家に泊まるんですか?」
「絢星くんがいいならね。」
「勝手にしてくれ。俺は夜ご飯作るから。」
「絢星くんさ、寂しいんじゃないの?」
その言葉を聞いて俺の体が一瞬止まる。
そんなわけないとは、分かってる。
「図星かな?まぁ違くてもいいけど。絢星くん、家でずっと1人なんでしょ?家にお父さんとお母さんいないし。」
「別に、慣れてる。たまに姉さん達も来るし寂しくはねぇよ。」
「お姉様、あまり深入りするのは…。」
「それもそうだね。じゃあ私テレビ見てるからご飯できたら教えてー。」
それだけ言い、海音さんはソファに座ってテレビを見だす。
「絢星さん、お姉様の言うことはあまり気にしないでください。少し失礼なところはありますけど、それでもお姉様なりに気遣ってるらしいので…。」
「別に気にしてねぇよ。それより、希空はどうすんの?海音さんはここに泊まるつもりっぽいけど。」
「…迷惑じゃなければ。」
「別に迷惑じゃないけど、ある程度手伝ってくれてるから楽っちゃ楽だし。」
「分かりました。」
そこから希空との会話はなく、淡々と夜ご飯を作っていった。
「海音さん、夜ご飯できたけど。」
「ちょっと待って!今いいところだから!」
子供かよ。別にご飯食べてから続きみればいいのに、録画なんだからさ。
「希空、海音さんは今忙しいみたいだし、先2人で食べてようぜ。」
「あはは…、お姉様は昔からああいうところがあるので…。そうですね、先に食べましょうか。いただきます。」
「ん、いただきます。」
コロッケとか久しぶりに作ったけど普通に上手く出来ててよかった。
「美味しいですね。絢星さん、ほんとにお料理上手ですよね。羨ましいです。」
「希空は料理できないのか?」
「はい、不器用なので料理とかは昔から苦手で…。お姉様のように器用だったらできたかもしれませんが。」
軽く教えてやったっていいんだけど、怪我とかさせたら大変だし、まぁ許可が出たらいずれ簡単なものは教えてみるか。
「今来たー。お、コロッケ?美味しそー!いただきまーす!」
この人はもう少し落ち着いた方がいいんじゃないかと思う。人と話しながら食べる夜ご飯って久しぶりだし、少し楽しいか。




