第34話 絢星くんが悪いね
「…せさん。」
…希空か?もう起きたのか…。
思ったよりも早く起きたな。
「絢星さん。起きてください…。」
「ん…どうした?」
てか……、顔近すぎだろ。
希空、ほんとに男に対しての距離感わかんないのか?俺は希空に何もしないからいいけど、そこら辺のやつにやったらまずいんじゃないか?
「いえ…、私もさっき起きたんですけど、もう2時みたいで。」
「まじ?悪い、さっさと昼ごはん作るわ。」
「昼ごはんなら私が作っといたよー。絢星くんも寝てたし、起こすのあれだったからね。ほら、ハンバーグだよ。希空に私のご飯作りたいってのもあるから、希空が好きな物作ってみた。」
「お姉様、ありがとうございます。」
希空、ハンバーグとか好きなの、ちゃんと子供だな。まぁちゃんと子供ってのは話しててわかるけど。
「コンソメスープとか、サラダも作っといたよ。あ、ドレッシングは手作りだからさ、絢星くんが1人で使うようにガラス瓶に入れといたから。冷蔵庫に入れてるからね〜。」
「あー、わかった。多分サラダは俺1人でも食べるだろうし、そん時使うわ。」
「…。」
「あれ、希空、どうしたの?」
「いえ…、なんでもないです…。」
「ならいっか。早く食べよー。」
いや絶対なんかあっただろ。こっちから無理やり聞くのはあれだしな…。本人が話してくれるの待つしかないか。
「じゃ食べるか。いただきます。」
「いただきまーす。」
ん、やっぱ普通に美味いな。海音さん料理作るの上手だよな。一ノ瀬家って金持ちだから料理人とかに作らせてるもんだと思ってたけど、違うのか?
「海音さん、どこで料理の練習してるんだ?」
「んー?うちで働いてるシェフに教えて貰ってるだけだよ。流石にその人に比べたらそんなだけどね。」
「うえぇ、まじか…。俺、手探りで練習してるからそんなかもな。」
「それほんと?手探りであれなら相当上手だよ?才能すごいねぇ。」
「…。」
いやぁ、やっぱ料理人雇ってんだな…。希空に俺の料理やってもそんなって思われてるかもだよな…。
「あの…。」
「どしたの?」
「お姉様、食べないんですか?」
「食べるよ。絢星くんと話してるから食べれなくて…。絢星くんが悪いね。」
おお、何だこの人。これで俺のせいにされんの意味わかんねぇんだけど。
「そうですか…。」
「…希空、さっきからどうしたの?なんかいつもと違うって言うかさー、なんか考えてるみたいな感じするんだよね。」
「それ、なんかわかる。今の希空なんか考えてそうだよな。」
「いえ、お姉様と絢星さんが夫婦みたいだと感じているだけです。」
「希空、それはない。俺は海音さんは無理だ。」
「え、それ失礼すぎない?」
「そういう意味じゃないから安心してくれ。」




