第2話 このままだと留年だぞ?
やっぱり、母さんに教えてもらった料理は安定に美味しい。
だけど、やっぱり物足りない。
「帰り、お見舞い行っとくか。」
母さんは市立病院に入院している。父さんは俺に母が入院している理由を教えてくれない。
まぁある程度見当はついている。
「俺ももう子供じゃねぇつぅのにな。」
まぁそれはさておき、下校時刻になるまで一眠りすることにして目を瞑った。
次に目を覚ました時には既に下校時刻を過ぎていたようで空は赤くなっていた。
何も考えずに教室の扉を開けて廊下に出る。
廊下に出ても誰もいない。いるとしても部活動生や残業をしている先生くらいだから廊下にはいない。
まぁ中でやってる部活は静かなものが多いし当たり前か。
そんなことを思いながら下駄箱に行き、履いてきたスニーカーに履き替えようとした時だった。
「おい、月森。」
「……。」
これ、多分帰れなくなったしめんどくさくなりそうで困る。
「なんすか?先生。」
「お前、このままだと単位足りなくて留年だぞ?いいのか?」
それはとても困る。
お金?それは十分とは言えないが普通に生活できるレベルにはある。
俺が困る理由は父さんにある。
怖いんだよ、怒った時の顔。それに留年したら学費も払ってくれないらしい。それがとても困る。
「まぁ、明日授業出ろよ〜。最悪補習してやるから、そこで頑張ったら単位取れるようにこっちも動いてやるからな。」
「…あざーす。」
簡単な感謝だけ述べてスニーカーに履き替え外に出る。
「一旦病院に行くか。」
ここから市立病院までは歩いて20分くらいだ。
道中にはスーパーもあるし果物でと買って持ってこうかな。
「あー、そういえば冷蔵庫になんも残ってないんだった…。今日はやる気出ないし惣菜でいいや…。」
そう思い、お見舞いで渡すようの果物と夜ご飯の惣菜を2つ買った。
買い物も終わったしそろそろ病院に行くか。
「あやせにぃちゃん!」
急に後ろから抱きつかれた。
「う…、なんだよ、亜樹か。」
こいつは四条亜樹、俺の姉の子供だ。つまり俺からすれば亜樹は甥にあたる。
亜樹は5歳で俺によく懐いている。というよりは姉の子供全員が俺に懐いている。
「あやせにぃちゃんどっか行くの?」
「母さんのところだよ。亜樹、お前一人か?」
「ううん!ママも一緒だよ!」
よかった、姉も一緒なら大丈夫か。1人だったら一緒にいてやっても良かったけど。
「なら姉さんのところ戻りな。俺も母さんの所行ったらすぐに帰るし。」
「うん!じゃあね!あやせにぃちゃん!」
ほんと、亜樹は元気だな。
亜樹と別れて俺は一直線で病院に向かった。




