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第18話 それでも俺は

 さっさと帰りてぇ。


 「ひっつく虫って、結構酷い言いようだな。」


 「当たり前だろう。希空にはお金目的で近づく人しかいなかったからね。だから希空には、僕たち家族が信頼している人以外と話さないように、とキツく言ってあるんだけど。」


 希空が言ってた叱られるってそういうことか。

 …可哀想としか言えないな。


 「まぁ僕が言いたいのは簡単な話、希空に今後近づかないでくれ。」


 ………。


 「それは無理な話かもな。」


 「はぁ、君の選択はそれでいいんだね。」


 「俺の選択っていうよりは、希空がどうしたいかに任せる。希空が俺と関わらないって言うなら関わらないし、関わるってこれからも関わる。俺がどうするとか決めることじゃねぇだろ。」


 「…家に帰って希空に聞くのが1番早いか。まぁ希空は後で家族に何かしら言われるだろうね。」


 なんか一人で言ってるしもう帰っていいか?こいつから希空の話し聞いてたら気悪くなるし。


 「俺もう帰るから。」


 「月森、もう少し話をしてもいいだろう?」


 「無理、お前から希空のこと聞いてたら気分悪くなる。」


 「はは、君、生徒会長であり、希空の兄相手によくそんな態度でいれるね。」


 「希空の人生を勝手に決めてるやつから希空の話聞いても理解出来ないだろ。希空なら俺と関わるっていうと思うし。」


 「はぁ…君、頭の中、幸せそうだね。そもそも考えてみなよ。希空は9歳だろう?それで、君は何歳だ?僕は同じ学年の人は全員知っている。知らないということは第3学年ではないだろう、つまり15歳か16歳か17歳。希空とは最低でも6歳離れてるんだよ。年下に関わられて嬉しいのか知らないけど、兄からすればかなり君キモイんだよ。ロリコンなのかな?」


 ………。

 確かに16歳の俺が9歳の希空と話してるのは兄からすればキモイか。


 「だけど、それがなんだ。」


 「ん?言い返すかい?」


 「そうだな。俺と希空は7歳離れてる。お前からすればキモイかもな。けど、だからといって希空に強制させるのは違うだろ。なんであいつに友達がいねぇのか、わかんなかったけど今わかった。希空の家族だろうな。希空に関わろうとしてもお前らがそれを拒絶してる。希空はずっと友達がいなくて寂しかっただろうな。」


 「友達なんて、希空に必要ないだろう。希空は世界的に見てトップに君臨するほど頭がいい。友達なんかを作って遊ぶより、世界の為に何かをしてもらった方がいいと……。」


 「…お前、兄失格だわ。もう話すことねぇ、というより話したくねぇ。帰らせてもらう。」


 「逃げるのか?」


 「逃げじゃねぇよ。馬鹿と話したくねぇってだけだ。まぁ最後に1つだけ言ってやるよ。お前らがどれだけなんと思おうと、俺は知らねぇ。キモイと思われてもいい、下民だと思われてもいい。それでも俺は、希空に友達として関わり続ける。希空が嫌だって言ったら知らねぇけどな。」


 コツ、コツ、コツ


 「…月森、お前がなんと言おうと、俺は希空の兄だ。兄失格なんかじゃない。」

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