第16話 少し手伝ってもらっていいですか?
「絢星、お前土曜日何してた?」
「普通に面倒見てた。金曜説明しただろ。」
「そうだった…。」
記憶容量どうなってんだ。
てか遊ばなかった時にいちいち何してたか聞いてくんの少しめんどくさいからやめて欲しい。
「お前彼女待たせてんだろ。早く行けよ。」
「そうだけど。お前も一緒に行く?」
「行かない。さっさと行ってこい。」
俺も帰ろうかな。
…眠いし少し寝てから帰るか。
よく寝た…。
「あ、起きましたか?」
「…なんだ、希空か。」
「はい。早く帰らなくていいんですか?」
「別に、家に帰っても俺一人だし。」
まぁそろそろ帰るけど。
「なら、少し手伝って貰っていいですか?先生に少し頼まれたことがありまして…。」
「…別にいいか。なんだよ。」
「まぁ、ついてきてください。」
「んー、わかった。」
コツ、コツ、コツ
「絢星さん、重いものってどれくらい持てますか?」
「あー、具体的にはわかんないけど、30kgくらいは行けると思うぞ」
「私くらいの重さですか。まぁ30kg程度も持てるなら大丈夫ですね。あ、ここの資料室です。」
「わかった。」
「この中の……、ありました。これとそれ、あとあれとあれを事務室に届けて欲しいみたいです。」
結構量あるな。俺の方が持てるし希空にはまぁ持たせなくてもいいけど、少しだけ持たせた方がいいか。
「絢星さん、私はそんなに持てないですし、少しだけ持つので残り持ってもらっていいですか?」
「おう。じゃあ希空が持ちきれなかった分持つから。一旦無理しない範囲で持てるだけ持てよ。」
「ありがとうございます。私はそこまで重いもの持てませんし、この量だと5分の1くらいしか持てないのですけど、残り持てますか?」
「そのくらいなら普通に持てるぞ。」
…うーん、少し気になることあるんだよな。先生が希空にこういうこと頼むと思わないんだよな。
確か先生達も敬語とか使って崇めてる…?しなぁ。
「なぁ希空、お前どの先生から…。」
「…絢星さん、少し隠れててもらっていいですか?」
「えぇ?まぁわかったけど…。」
急になんだ?
あ、足音が近づいてきてる。俺といるのが見られたら困るってことか?
「希空、ごめんね。引き受けてもらって。」
「いえ…、お兄様は部活で忙しいですし、私はそこまで忙しくないので大丈夫です。」
「ありがと、どれだけ進んだ?」
「あとは持ってる分だけです。私が持っていくのでお兄様は部活に戻ってください。」
「そう、ありがとうね。じゃあ戻らせてもらうよ。」
ガチャ
「ふぅ…。」
「希空、大丈夫だったか?今のは、希空のお兄さん?」
「はい。足音とタイミング的にお兄様だと思いましたから。絢星さんに手伝ってもらっていること、というよりは絢星さんと関わっていることがバレれば後で叱られますし。」
「…理由は聞かないでおくわ。」
「ありがとうございます。では行きましょうか。」
「おう。」
そして俺と希空は資料室を出て事務室に向かう。
事務室に向かう途中の廊下で、希空は一度も口を開かなかった。




