第11話 楽しみにしてて構いませんよ。
「ペアデッサンってなんだ?二人でなんか描くのか?」
「お互いを描くものだったと思いますけど、詳細は先生の説明を聞いた方がよさそうですね。」
お互いか、俺が希空を描いて希空が俺を描く。
…俺完成度低かったりしたら後で詰められたりしないな。
「てか、俺らのペアのアルファベット貰ったんだけど、Iペアらしいぞ。」
「そのペアアルファベットを使って何かしそうですね。」
たしかに、そろそろ説明始まりそうだし黙るか。
「お互いの顔と姿を30分間で描くんだ!30分間の後、10、15分で他の者が描いた絵を閲覧する時間を設ける!授業終了後にスケッチブックは回収する!」
「絢星さんを描けばいいだけですか。そこまで難しくなさそうですね。」
「そうなのか、じゃ完成品楽しみにしてるからな。」
「はい、楽しみにしてて構いませんよ。」
絵も描けんだな。さぞ上手いんだろうと勝手に期待しておこう。俺は、昔は絵描いてたけど今どうだろ。
実物が目の前にあるし大丈夫か。
「では、始め!」
サッサッ
シュッシュッ
カリカリ
結構描けるな。ただ希空は髪が白くて長いから少し大変だな。
「絢星さん、少しこっち向いて貰えますか?」
「ん、お前の方見ればいいか?」
「はい。」
俺も今のうちにこいつの顔見とくか。
…希空の顔、普通に整ってて綺麗だな。
「ありがとうございます。私の方はある程度覚えましたので私の確認をする時は声をかけてください。」
サッサッ
シュッシュッ
サラサラ
キュッキュッ
カリカリ
手際いいな。俺もさっさと描くか。
「そこまで!」
あ?もう30分経ったのか。
…結構上手く描けただろ。
「では15分の間で他の者が描いた絵を閲覧して、1番描けていると感じたペアの絵に投票しろ!1位になったペアは評価点をプラスする!」
希空いるし安心だな。俺も上手く描けた自信はあるけど希空には及ばないかもな。
「希空の絵見せてくれよ。」
「大丈夫ですけど…、楽しみにしてて構いませんと言ったにも関わらず、そこまで上手に描けませんでした。すみません。」
そんな謝る必要ないと思うんだけど。
ま、普通に下手でも上手でも希空の絵見たいだけだし、謝られる方がこま…る……。
「は?希空、普通に上手くないか?」
「そうですか?私はどの程度が上手くて、どの程度がそこまでなのか分からないので…。前回の私が描いた絵と比べたらそんなにだと感じましたし…。」
これで前回より上手くないって、前どんだけ上手かったんだよ。
「絢星さんの絵も見せてください。」
「お前の絵見た後に俺の絵見ると差が酷いなって感じるんだけど。」
ほんとに希空の絵はかなり上手い。おかげで俺の絵はさっきまで結構描けたと思ったのに下手だって感じてきた。
「ほら、これが俺が描いた希空だよ。」
「…お上手、ですね。」
気使わせたか。まぁ仕方ないか。
「悪い、久しぶりに絵を描いたからそんなだけど。」
「いえ、ほんとにお上手です。線が綺麗ですし、私だって誰が見ても分かりますよ。」
「あんがと、そろそろ他の奴らの絵見に行こうぜ。」
「そうですね。」
俺と希空は10分の間他の人が描いた絵を見ていったが、俺から見て希空を超えていると言える人は見当たらなかった。
自投票は出来ないし、俺より絵が上手いペアがいたから俺はそこのペアに投票した。希空もそこに投票したらしい。
「投票結果を発表する!今回、1位になったペアは、Iペアだ!」
「Iペアは私たちですね。」
「だな。多分希空のおかげだろうし、ありがとな。」
「いえ、こちらこそ絢星さんのおかげだと思っていますので、ありがとうございました。」
絵、久しぶりに描いたけど希空描くの楽しかったな。




