4話 「脱出」
「こっちだ!」
直人の一言で我に帰る。手を振ってこちらに来るよう合図しているらしい。
そっちには準備室しかなかった気がするが…
とりあえず直人の元にいくことにした。
「私もついていっていいかな?」
直人のところに向かおうとしたとき、後ろから声をかけられた。
それは今は違うクラスだが、1度同じクラスになったことのある、あゆみの声だった。
「あ、ああ、全然いいぜ」
あまり女子としゃべらないので素っ気ない態度をとってしまった。
また今は緊急時だからそんなことはどうでもいい。
二人で直人のいる準備室へ急いだ。
準備室前では直人が扉の上にある鍵をとろうとしていた。
「恭一!俺をおぶれ!」
少し戸惑ったが俺は直人を背中に乗せる。
バランスが悪いのか、少しふらつきながら鍵をとる。
「よし!とれたぞ!」
俺の背中から飛び降り、すぐに鍵を開ける。
「おい直人。準備室に何の用だ?」
直人に疑問をぶつける。俺もあゆみもなぜここに来たのかわからないままここへ来たのだ。
「お前らは部活入ってないからわかんないかもしれんけど、俺はバスケ部でよく体育準備室使うからさ…」
直人はそう言いながら近くにある道具をどけていく。すると、
「ここに出口あるの知ってんだよね!」
隠れていた扉が顔を出す。
「こんなところに扉があったんだ…!」
「どうだあゆみちゃん!俺のこと見直したか?」
「まあ…少しね。」
直人はあゆみの反応になぜか納得すると、出口とは反対に準備室を出ようとしていった。
「おい!お前は行かないのか?」
直人は笑って言う。
「俺さ、1個下に妹いるからさ。お兄ちゃんとして見捨てるわけにはいかないだろ?だからさ…とりあえずお前らだけで行ってくれ。俺もあとで妹を連れて絶対行くからよ!」
「…わかった…あとでぜってー来いよ。」
約束だ。よく聞こえなかったがそう言っていたと思う。
あいつは俺が信じてる数少ない友達だ、だから大丈夫だ。
「俺の直感はよく当たるの知ってるだろ?だから安心しろ…直人。」
ボソッと呟き、俺はあゆみとともに準備室の出口の扉を開けた。




