17話 「戦場へ」
白に黒を混ぜてみる。
パレットの上は薄汚れた灰色となった。
黒に白を混ぜてみる。
パレットの上は薄汚れた灰色となった。
あの日に似た音が、赤い光と共にけたたましく鳴り響いた。
俺はサイレンの音で目が覚めた。
見覚えのない部屋に一瞬困惑したが、自分の部屋だったことを思い出す。
長いサイレンが終わり、焦りを伴った声がスピーカーから放たれる。
「今すぐ昨日の部屋に来てくださいっ!」
状況はわからないが、部屋に行くことにした。
会議室に着くとすでに南原と雷電以外の全員が集まっていた。
所長が口を開く。
「ゾンビが近くの街で中規模発生した。住民の危険が予測される。今すぐ向かってくれ!」
「ちょっと待ってくれ。俺たちは何の訓練も実戦もしていない。そんな状況でどう戦えっていうんだ?」
「貴方たちはウイルスーツによって守られます!大丈夫です!それに今は市民の安全が第一です!お願いします。急いで向かってください!」
そこに遅れてやって来た南原と雷電。
「ごめんね!雷電を起こすのに手間がかかっちゃって」
「悪かったんだぜ!で、何のようなんだぜ?」
もう一度、所長が今と同じ説明をした。
「ええええっ!?ゾンビが現れたのか…任せとけだぜっ!」
そういうと雷電は自分の願いの箱をとりだし叫ぶ。
「エンペラー!Act ONなんだぜ!」
雷電は昨日と同じ姿になる。
「行くんだぜ!みんなっ!」
雷電に続くように雨宮さん、そして南原も「願いの箱」を手に取り
「シェリフ!Act ON!」
「マーメイド!Act ON!」
南原も雷電と同じように願いの箱と同じ色をした姿に変身した。
「本当に大丈夫なの…?」
美咲が心配そうに嘆く。
「絶対に…大丈夫だ。」
所長は力強く呟く。
「僕たちも…行きましょう。」
篠塚は何か決意を持ったような顔をしていた。
昨日までの顔とは別人だった。
彼は昨日の夜に何を考えて変わったのだろうか。
「…わかった。」
俺たち三人も願いの箱を手に取り、掲げた。
「イーグル!Act ON!」
「フェアリー!Act ON!」
「ヒーロー!Act ON!」
体がとても軽くなった気がした。そしてとてつもないパワーを体の芯から感じた。
「すごい…こんなのがあるのか…!」
思っていた以上の力に驚愕せずにはいられなかった。
「さあ!頼んだよ!人類の希望…『アクターズ』よ!」
俺たちはこれから戦場へと向かう。
これが人類の希望、アクターズ最初の戦い。
そしてこれが…
遥かな絶望へと変わる物語の1ページ…だったんだ。




