11話 「ウイルスーツ」
黒田さんが所長に何かを急かしている。
所長はうなずくと真剣な表情をした。
「えーごほん。今回皆さん方に集まってもらったのは他でもない。そう、各地でゾンビが発生したことだ。」
「ゾンビぃ…!?」
雷電はとてつもなく驚いている。
「そうか…雷電君はまだ知らなかったのか…。」
「ゾンビって…どういうことですか…!?」
篠津の目が見開く。
「そこにいる恭一君が住んでいる地域で原発事故が発生した。その直後、突然、人型のゾンビのようなものが確認された。」
「まじかよ…ほ、本当なのか…?」
俺はうなずきだけで返す。
「ああ…俺も最初は信じてなかったんだが、この目で見ちまったもんだからな。」
雷電と篠津の二人は声を失っている。
「ゾンビのようなものは他の地域でも確認はされていたんだ。まあいずれも人間ではなかったようだがな…。ゾンビのようなものはすべて元の個体より凶暴になっている。それで俺たちは対策をしていた。今までの動物型は通常兵器でなんとかなっていたが…」
顔が曇る。
「我々も人型ははじめて観測しましたが、そいつらは今までのそれとは別次元の凶暴さと耐久力をもっていました。観測した時、一人の所員が人型のゾンビに襲われたのです。我々も抵抗しましたが…」
「全く歯が立たなかった。銃を持っていたのだが…撃ってもピクリともしなかった…。」
「我々はその所員を死なせてしまったのにも関わらず、逃走してしまいました。それで我々は…」
所員と黒田さんが目を合わせる。
「対ゾンビ型ウイルス式強化装甲、通称「ウイルスーツ」の開発を急いだんだ。」
「う、ウイルスーツ…?」
雨宮以外の全員が動揺を隠せていなかった。




