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Virus suit actor  作者: 大根屋
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10話「所長と白」

天使は微笑む。


天使は何もかも知っている。


天使は微笑む。


我々は天使のことを何も知らないのに。


天使は微笑む。


その心は天使のみぞしる。


天使は…微笑む。

「お…?もう終わったのか!」


白衣をまとった男はご機嫌な様子で階段をかける。


うしろの白くてモコモコしている少年がパタパタと慌てながらついていっていた。


「おや…所長…はい、終わりました。あとは所長と白様だけです。」


黒田さんは所長と呼ばれている男に頭を下げている。


「しょちょー?…おめぇがここのしょちょーなのか…?」


「失礼でしょ!ちゃんと敬語を使わないと!」


「お、おう!わ、わかったぜ!あ、あなたがここのしょ、しょちょー様でござろうっすか…?」


「…ぷっ!ばかっぽーい!」


雷電と優紀は既に意気投合しているようだった。


「ハハハハハッ!いいんだよ敬語なんてものは!ここにいる黒田みたいに堅苦しくなくてもな!」


黒田さんは苦笑いをしている。


「所長…所長も自己紹介をしてくれますか…?」


「おう!そうだったな!俺の名前は真白 柚希(ましろゆずき)!一応ここの所長をやってる者だ!」


自己紹介をしている所長の足に白いモコモコがくっついていた。


「白様も自己紹介をお願いします。」


その少年は黒田の言葉に少しびっくりした様子で前に出てきた。


「…ごほん。えーと…僕の名前は真白 白(ましろしろ)!よろしくね!」


「かぁぁぁあああいいいいぃぃぃ!」


美咲の目がハートになっている。


次の瞬間には一目散に突撃していき、白くんの頭を撫でまくっている。


白くんも嫌そうな顔はしていない。


「…白くんって所長さんと同じ名字ですよね。息子さんですか?」


所長の顔が少しだけ曇る。


「いや…本当の息子ではないんだ…この子はね、孤児なんだ。児童養護施設で友達もできず一人ぼっちだったんだ。俺はどうしてもこの子が気になってしまってね。引き取ることにしたんだ。」


「そうだったんですか…。」


「でも今は元気でいい子に育ってくれたよ。この子は僕にとっての天使みたいなもんだよ。実の我が子のように大切に大切に扱っているよ。」


「それは…よかったです。」


白くんは笑顔でこちらを見ている。


しかし…その目が…白くんの目が悲しそうに見えた。


なぜそんなことを思ったのかはわからない。


ただそんな気がしてしまったのだ。

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