ウクライナのおばあちゃんが攻撃ドーロンを毛糸で無力化
ウクライナのおばあちゃんが攻撃ドーロンを毛糸で無力化
冬の気配が色濃くなったウクライナ東部の小さな村で、マリアは庭の枯れ葉を掃いていた。
夫を亡くし、古い木造の家に一人で暮らす彼女の耳に、遠くから不気味な虫の羽音のような高音が飛び込んできた。
それは日常の風景に突然紛れ込んだ、ロシア軍の小型FPVドローンだった。
音の方向へ顔を上げると、爆発物を積んだ小型の機械が、まるで獲物を探す猛禽類のように一直線に向かってくるのが見えた。周囲には身を隠す場所もなく、逃げる暇すラない。
しかし、マリアに恐怖の色はなかった。
彼女の脳裏をかすめたのは、農作業の知恵と、かつて隣村の男が語っていたドローンの弱点についての噂だった。彼女の手には、冬支度のために庭で干していた真っ赤な大振りの毛糸玉があった。
ドローンが突撃の速度を上げ、わずか数メートルの距離まで迫ったその瞬間、マリアは長年培った漬物石投げの要領で、手にしていた毛糸玉を渾身の力で投げつけた。
狙いは見事に的中した。放たれた毛糸玉はドローンの高速回転するプロペラに直撃し、柔らかい繊維が瞬く間に巻き付いた。バランスを完全に崩したドローンは、轟音を立てながらマリアの足元の雪原へと真っ逆様に墜落した。
数秒の沈黙の後、爆発することなくただモーターが空転する音だけが響いた。マリアは長い溜息をつき、落ち葉掃きのホウキの柄で、ピクピクと動く墜落したドローンを軽く突いた。
「これだから最近の若い機械は、手がかかるんだから」
彼女はそう呟くと、再び淡々と庭の掃除を再開したのだった。




