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フェイドアウト断章  作者: 石藏拓(いしくらひらき)


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ジョンレノンが求める女性の体温

ジョンレノンが求める女性の体温


ジョン・レノンの近くにいた人間たちの証言を拾い集めていくと、ひとつの奇妙な人物像が浮かんでくる。


もちろん、本当かどうかはわからない。


ジョンは母親という存在を、生涯どこかで追い求めていたのではないか。そんな見方をする人間もいた。愛されたい。抱きしめられたい。そして、自分を丸ごと受け入れてくれる女性の体温から離れられない。


だから、女が必要だった。


一人では足りない。


いつも自分の周囲に女性の気配がなければ落ち着かない。そんなジョンを知る者にとって、最初の妻シンシアとの関係は、どこか物足りないものに見えたという。


シンシアはジョンの所有物にはならなかった。


愛していても、ジョンの求めるすべてを受け入れる女性ではなかった。家庭を持ち、子供を育て、一人の人間としてジョンと向き合おうとした。


そこに、ジョンの苛立ちがあったのかもしれない。


一方、小野洋子は違った。


ジョンがどんな状態であっても、彼のそばにいた。


彼の孤独も、依存も、幼児性も、怒りも、芸術家としての不安定さも、まとめて受け止める。そしてジョン自身もまた、洋子の存在に強烈に依存していった。


ジョンと洋子の関係を見ていた人間の中には、二人は夫婦というより、一種の共生関係だったと感じた者もいる。


さらに興味深いのは、ジョンが洋子と一時的に離れて暮らしていた時期の話だ。


ジョンが一人になると、女性関係で問題を起こすのではないか。


そんな心配から、洋子が秘書のメイ・パンをジョンのそばに置いた。


これも、単なる秘書の派遣だったのか、それともジョンを監視する意味があったのか。


真相はわからない。


ただ、ジョン・レノンという男を知る人間たちの証言を重ねていくと、奇妙な共通点が浮かぶ。


彼は孤独を嫌った。


そして、女性の体温を必要とした。


母親を求める少年のように。


あるいは、世界中から愛されながら、それでも自分だけは愛されていないと思い続ける男のように。


ジョンにとって女とは、恋人である以前に、「自分がここにいていい」と確認するための存在だったのかもしれない。


ビートルズ 洋子はジョンレノンの母である

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