出版トラブル 【返品された本――最後にいくらかかったのか】
出版トラブル 【返品された本――最後にいくらかかったのか】
本は売れない。
書店に並べても、売れなければ返品される。
問題は、返品された後だ。
当時、共同出版・自費出版をめぐって公開された事例には、こんなケースがある。
著者は出版のために、まず約200万円を支払った。
本が完成し、書店へ流通する。
しかし、思ったようには売れない。
書店から返品される。
返品された本は在庫として残る。
そして、一定期間を過ぎると、倉庫保管料が発生する。
ある事例では、出版から2年後、約8万円の倉庫使用料を請求されたと報告されている。
つまり、
出版費用 約200万円
↓
本が売れない
↓
書店から返品
↓
大量の在庫が残る
↓
倉庫で保管
↓
さらに約8万円の倉庫使用料
――という流れだった。
著者からすれば、
「本を出版するために200万円払った」
だけでは終わらなかった。
売れなかった本が返品され、
その本を保管するために、さらに費用が発生した。
ここが、共同出版・自費出版を考えるときの重要なポイントだ。
最初に提示された「出版費用」だけを見てはいけない。
売れなかった場合、
返品された本はどうなるのか。
在庫は何年間保管されるのか。
倉庫代はいくらなのか。
最後に処分する場合、費用はいくらなのか。
契約前に、ここまで確認する必要がある。
本を出す。
そのために数百万円を払う。
そして本が売れなければ、返品され、在庫になり、さらに保管費用が発生する。
当時、こうしたケースを「被害」と訴える著者たちがいた。
問題は、
「本を出版できたか」
ではない。
最終的に、
「著者はいくら支払ったのか」
なのである。
出版費用だけではない。
返品された後の費用まで含めて、
一冊の本にいくらかかったのか。
そこまで計算して初めて、
その出版が著者にとって本当に納得できるものだったのかが見えてくる。




