ひばりが歌うとジャズに聴こえる理由 (音楽理論つき・わかりやすい版)
ひばりが歌うとジャズに聴こえる理由
(音楽理論つき・わかりやすい版)
美空ひばりの歌がジャズっぽく聴こえる最大の理由は、
リズムの乗り方(タイム感)がジャズそのものだからです。
◆ ① “後ノリ”=ジャズの核心
普通の歌手は、伴奏のリズムに ぴったり合わせて 歌います。
しかしひばりは、あえて ほんの少しだけ後ろにずらして 歌う。
音楽理論ではこれを レイドバック(laid back) と呼びます。
拍より少し後ろに置く
でも遅れすぎない
緊張と緩みが生まれる
これはジャズシンガーの カーメン・マクレエ や エラ・フィッツジェラルド が得意とした技法。
ひばりはこれを 完全に体得していた。
◆ ② 語尾の“跳ね”がスウィングの動き
ひばりは語尾を
タァ〜ン♪
と軽く跳ねさせる。
これはジャズの スウィング(3連系の跳ね) の動き。
理論的には
「タ・タ・タ」ではなく
「タァ・タ」
と感じさせるリズム。
『車屋さん』の
「くるまやさ〜ん♪」
の語尾がまさにそれ。
◆ ③ ブレス(息づかい)を“リズム”として使う
ひばりは息継ぎを
拍の前
拍の後
あえてズラす
という形で使う。
これはジャズの コンピング(伴奏の裏拍) と同じ発想で、
息づかいそのものがリズムの一部になっている。
◆ ④ メロディを“しゃべるように”歌う=ジャズの語法
ひばりはメロディを
楽譜どおりに歌わない。
伸ばす
ためる
ちょっと崩す
言葉をリズムに乗せる
これはジャズの フレージング と同じ。
つまり、
ひばりは歌ではなく“語り”でリズムを作っている。




