表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/34

走っとけ

AM7時45分に到着する電車

今までの私ならこんな時間の電車には乗っていないよ

でも、乗らなければいけない事件が起きたのだ

電車を降りてまっすぐ学校へと向かう

前日に話しを通しておいた友人が、クラスで待ってくれていた

軽く「おはよ」と声を掛け、カバンを置いたら出発だ

あの人はAM8時10分の電車で来る


学校をでたらすぐ左手に駄菓子屋さんがあって、文房具なんかもおいてあって朝の学生で賑わっていたりもする

友人と一緒に駄菓子屋さんまで急いで行って、お菓子とジュースでお話を始める

駄菓子屋さんのおばさんに「朝来るの珍しいね?」なんて言われても「これから朝も来るから」と答え

おばさんや友人と話しが弾んでいるところに、あの人が友人たちとやってきた

これだ!これを待っていたのだ

内気な私が始めて出会った「一目惚れ」のお相手

クラスや部活みんなの協力の元、通学時間・クラスに名前・朝は必ずここに来ることを下調べ済みだ

みんなにはもう、どれくらい頭を下げた事か・・・

でも、こうやって間近で声まで聞けちゃう幸せな時間は「遅刻魔」な私にとって

何が何でも早起きをしなければいけない事件となり

一人ではちょっと「恥ずかしい」ので、一番仲のいい友人にまで早起きをさせて学校に来てもらったわけだ

これが1年も続くなんて、その時友人は思いもしなかっただろう


ただ、顔が見れれればいい、声が聞ければ、傍に居るだけで・・・

私の名前何て知らなくたって別に良いのだ

私が「知っている」それだけで良かったんだよ、あの頃は


毎朝決まった時間に学校にいき、友人と二人で駄菓子屋さんまで行く

日常と化していた私たちに、もう一つ日常が増えていた

それは自転車通学してくる人とも、毎朝同じ時間にすれ違う事だった

私に付き合うのをグチグチ(早く告白すれば?)と言っていた友人が毎朝同じ人に手を振り始めた事だ

「お、こちらも春か?」何てからかっていたのだが

数か月も手をふっていれば、お互い「おはよー」なんて声もかけるようになり

たまーに二人で会ってたりもするみたいで、「よかったね」なんて言っていたのだけど


いつもの様にクラスに駆け込んで「おはよー」と一緒にカバンを置き

「行くよー」って声を掛けるのだが友人の様子が少しおかしい

「どうした?」と声を掛けると、「今日は用事があるから」と断られてしまった

随分通ったあとだったので、まぁ一人でも大丈夫かと思い、一人で駄菓子屋に向かった

そうしていつもの自転通学の人に挨拶をして、校門を出ようとしたところで呼び止められた

「あの・・・」「ん?」あぁ、友人が今日はいないからか

「今日は用事あるみたいで、今ならまだクラスにいるよ」と言ってみれば

「えと・・・私と付き合ってください」

・・

・・・

「え?私?」

これが寝耳に水ってものなのだろうか、いやいやいやいやいやいやいや・・・

一人ではポンコツになる私である

鳴きそうな顔で「ダメですか?」何て言われちゃったら「ダ、ダメなわけじゃないけど・・・」

「じゃぁ、付き合ってくれますか?」なんてやり取りしていると、横から

「ふ~~ん!」なんておっかなそうな声が聞こえたと思ったら、一目惚れのあの人が・・・

「え、ちがっ・・・えと、えと・・・」

私は全力で走った

クラスまで全力で走った

クラスについて友人を見つけ「どうゆう事?」と問い詰める

困った顔をしながら、「前から相談に乗っててさ・・・」

以前から相談をされいて、私が本命に告白する勇気が無いのを憐れと思ったのか

押せば負けると思ったのか日を選んで今日、告白をさせたらしい

何故今日が良い日なのか?「大安」らしいです

その話しを聞いていたクラスの連中が、「一目惚れのあの人」とはどうなってんだとワイワイ騒ぎ出すし

その中でまたとんでもないことが判明した


一目惚れをした当日、みんなに頭を下げてお願いをして調べてもらったのだが

当然その事は、あの人も知っていたみたいで

そうしてわざわざ駄菓子屋さんを指定してくれたみたいだ

どうゆう事だ・・・なぜそんな事になっているのだ・・・私が不思議そうにしていると

私からいつ告白してもらえるのか、ずっと待っていたそうだ

・・・


知らなかったのは、私一人で・・・なんて恥ずかしい


翌日やっぱりは一人は嫌なので友人に付き添ってもらい

取り合えずは「自転車の君」には「ごめんね」と伝えた

そうして本命のご登場だ

当然話しは廻り巡って、届いてるらしい

こちらとあちらの友人たちが気を使って二人にしてくれる


「あ、あの」

とんでもなく勇気がいる、こんな至近距離で二人で話しているだけでも緊張するのに

今から、告白するのかと思うと更に緊張は増す

心臓はバクバク始まるし、顔はもう熱い、とにかく熱い

初めての「告白」なんて何て言えばいいの?

そう言えば、昨日聞いたなと思い「付き合ってください」だ

この一言を、相手も待っていると聞かされれば


ヤバイ


勝確じゃん!言えばすべてが収まるはず

何だけど、声が・・・出ない

喉に言葉が引っ掛かってるみたいで声がでない

不思議そうな顔をしながら早く続きを・・・なんて顔しないでください


可愛いです・・・


なんとか口を開いたものの、声が出てこない

多分言葉じゃなくて、心臓が飛び出しそうになって


私は走った


後から「え?」とか聞こえた気はするけど

ひたすらクラスまで走った

なんかへんな走り方してたような気もするけど

ひたすらに、クラスまで走り切った


そうして翌日から元の「遅刻魔」に戻ってしまった

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ