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星空
ふと夜空を見上げたとき、満天の星を見たらどう思うでしょうか。
きっと多くの人が「きれい」と感じるでしょう。
けれどその奥に、どこか懐かしい感覚に包まれることはないでしょうか。
私は時々、とても懐かしくて、胸の奥がじんわりする感情にとらわれます。
その感覚はいったいどこから来るのでしょう。
遥か昔、まだ世界が閉ざされていた頃。
あの時代に見上げた星空は、きっと今よりもずっと神秘的だったのでしょう。
そう思うと「なるほど、神話が生まれるわけだ」と納得してしまいます。
冬の夜、小高い丘の上から星を見上げると、
そのきらめきは手を伸ばせば届いてしまいそうに近く感じます。
つい腕を伸ばしてしまって――
「何やってんだ、あたしは……」と自分にツッコミを入れることもしばしばです。
それでもどこかで「もしかしたら掴めるかも」と思ってしまう。
昔の人々は、本当に星を捕まえていたのかもしれません。
集めた星をあちらこちらに投げ捨てて、
それが今の夜空を飾っているのだとしたら――そんな想像をしてしまいます。
「ふっ」
私は、遠い昔「神」だったのかもしれません。
そして、地上に堕ちて人間になったのだ、と。
たまに彗星が流れてくるのを見ます。
あれは、違う世界の神が投げたばかりの新しい「星」なのかもしれません。




