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第61章 十二月
十二月になると、花蓮は毎日出勤した。
それを店のホームページで知った時、正夫は彼女が結婚する意志を固めたこと、もう店を辞めるつもりでいることを直感した。
もうじき彼女と会えなくなると思うと、たまらなくつらく寂しい気持ちになる。
毎週末東京まで通おうかとも思った。しかし、彼女が毎日出勤するのは、今まで世話になった客に対してお別れの挨拶するという意図があってのことのように思われた。それを自分が行くことで邪魔してはいけない。
これが運命ってものだと自分に言い聞かせ、今月も一回だけクリスマス前の土曜日に行くことにした。
彼女にそれを連絡し、その時に一つ頼みたいことがあると言った。それは赤い下着を着てくれということだった。二度目に店に行った時に彼女が着けていた思い出の真紅の下着を。




