表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
花とたゆとう ふたたび  作者: 御通由人
59/86

第59章

 花蓮は白地にピンクの小さな花模様のついたキャミソールを着ていた。

 くるりと一回転すると、「久しぶりにおニューを買ったの」と楽しそうに言った。


「はい、これ、お弁当。お弁当も久しぶりに作ったの。ねえ、あまり冷めないうちに先に食べましょ」

弁当は、いつものシュウマイの他に、春巻きや唐揚げや青椒肉絲、海老のチリソースが入った豪華なものだった。

「凄いなあ、これ、全部自分で作ったのかい?」

「うん、もちろん。今日はオール中華にしてみたの」

「ずいぶん腕を上げたなあ。大したもんだよ」

「八月から週に二回お料理教室に通っていたのね。途中、美鈴さんのことがあった時はお休みしたけど……。川村さんに食べて貰おうと思って通っていたのに、色々あって、ずうっーとお弁当作れなくて、ごめんなさい」


 シュウマイを食べてみると、意外なほどに上手い。

「おいし?」

「うん、うまい。プロ並だな。へたな中華料理店よりずっとおいしいよ」

  正夫は次々と箸をつけていったが、どれもかなりの出来映えである。

 彼女はあまり食べずに目を細めて、正夫の様子を眺めていた。


 正夫は食べながら、何気ない口調で尋ねた。

「見合いをしたんだってね」

 花蓮は箸を置き、両足を伸ばして、足先を見るかのように、視線を下に落として言った。

「黙っていて、ごめんなさい」

「そんなの別に構わないよ。僕は君の恋人でもパパでもないんだから、僕に言う必要なんてないよ」

「そんな意地悪な言い方はしないで」

「ごめん」

 正夫も箸を置き、視線を下に向けた。白く、ほっそりとした足が伸びていて、その小さな指先には、着ているキャミソールの花の色と同じピンクのぺディキュアが可愛らしく光っていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ