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釣果はまさかの恋心!?親友からのアップデート!もう引き返せません!いや、このまま進みます!

こんにちは。

あまのじゃくです。

これで【完結】になります。

全5話のショートストーリーでした。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました!

次作もよろしくお願いします!

土曜日。

9時。

颯介の窓がコツコツなる。

そろそろ行くぞ、颯介!

オッケー!


ふたりは家の前に出てきた。


凛「颯介、またTシャツに短パン?」

颯介「凛こそ、またデニムにTシャツ?それになんか皺っぽいぞ」


凛「お互いにこの前見た、デートとまるっきり違うじゃん」


ふたりは吹き出した。

凛は、ま、その方があたしたちらしいか!

嬉しそうだった。


それはそうと、チャリに釣竿のせてるって、小学生かよ!

凛が突っ込む。 


小学生か懐かしいな…。

いつぶりだっけか?

中学行ったらお互いに部活だの勉強だのって行ってないから、やっぱ小学生以来か。


ふたり自転車を漕ぎ出す。

颯介「風が気持ちいいな」

たまにはいいね。凛は髪の毛をかきあげる。


ここ、ここ。

なつかしー。この河原から釣りしてたな。

あんまり釣れるもんでふたりの秘密にしてたよな。

颯介は目を細めて凛に語り掛ける。


だね~。颯介が足を滑らしてあたまから水をかぶったのにはウケたけど。


そんなのあっけ?


あった、あった。覚えてる。大きな声で笑った。

その後、凛は小さな声で、忘れるわけないでしょ…。と呟いた。


10時。 

ぜんぜん、釣れないな~。颯介は天を仰いだ。

凛?飽きたか?

いや、ぜんぜん。楽しいよ、釣れなくても。


凛は、この前はごめん…。

「なにが?」

あたし、機嫌悪かったこと。

颯介が、その、芽衣と楽しくしてたことが、よくわかんないけど、悔しくて。


実は俺も…。


その時、凛の釣竿がしなって鈴がなった。

おい!かかったぞ!

凛は、これ、重い!颯介も引っ張って!


ふたりで竿を持つ。

身体が触れ合う、恋人以上に。


釣糸が切れた。


ふたりとも尻もちをついた。

颯介の膝に凛がのる形で。


颯介、ごめん、ごめん、今、どく。


颯介は後ろから凛を抱き締めた。 

…っ。

凛は驚いて身体を硬直させた。

川の流れる音と互いの心臓がバクバク、今にも破裂しそうな勢いでなっている音しかしない。


ゆっくり颯介は口を開いた。


凛が俺以外の男といると変な気分になるんだ。

何も手に付かなくなる…。

なぁ、俺じゃダメか…?

親友やめたいんだ。


颯介はさらに力を入れて凛を抱き締めた。


凛は抱き締められている颯介の手を握った。


あたしも颯介が他の女といると頭がおかしくなる。

ね…ホントにあたしでいいの?

芽衣みたいにはなれないよ?

ガサツで平気で汗まみれの身体で颯介のベッドにダイブするような女だよ?


…それがいいんだ。


一呼吸おいて…あたしも親友やめたい。


うん…もう親友じゃない。

ずっと一緒だけど、親友じゃない。


大好きだ凛。

あたしも大好きだよ颯介。


凛は颯太の方へ身体の向きを変えると、静かに目を閉じた。

颯介も静かに目を閉じて、唇が触れるか触れないかの優しいキスをした。

お互いに初めてのキス…。


颯介は、凛、俺達、もう戻れないぞ。

うん。戻るつもりはないよ。


颯介!颯介の竿の鈴が鳴ってる!

引かなくちゃ!


慌てて立ち上がった凛を、颯介はもう一度強く抱き締め、今日は釣果ゼロでいいんだ、と優しく囁いた。


急に笑って

だって、いちばんの大物が釣れたんだからな!

あたしも、いちばんの大物が釣れた!


ふたりは顔を見つめあって笑った。


颯介の釣糸は切れて静かになっていた。



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