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『みんな作れるのに誰も作らないので、元ミニチュアコレクターが本気を出したら国ができました』  作者: eccen.
第5章 城と国づくり

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第45話 未来を育てる学校

翌朝。


リリアは広場の中央に大きな設計図を広げていた。


その周りには、住民たちが集まっている。


「今日は学校を作ります!」


「学校?」


初めて聞く言葉に、住民たちは首をかしげた。


この世界には弟子入り制度はある。


親の仕事を手伝いながら技術を学ぶのが当たり前だった。


しかし、誰もが一緒に学ぶ場所という考え方はなかった。


「何を教えるんですか?」


鍛冶職人が尋ねる。


リリアは微笑みながら答えた。


「読み書き。」


「計算。」


「植物の育て方。」


「道具の使い方。」


「ケガをしたときの応急手当。」


「そして――」


少し間を置いて続ける。


「みんなで協力すること。」


住民たちは静かに耳を傾けていた。


「一人でできることには限界がある。」


「でも、知識をみんなで分け合えば、この国はもっと豊かになるよ。」


アルトも深く頷く。


「王都の学校は貴族しか通えない。」


「だけど、この国では違う。」


リリアは力強く言った。


「子どもなら誰でも通える学校にします!」


その一言に、子どもたちの目が輝いた。


「僕も?」


「私も?」


「もちろん!」


大歓声が上がる。


一人の母親が、おそるおそる手を挙げた。


「……大人は?」


「え?」


「私は字が読めません。」


「子どもと一緒に勉強してもいいですか?」


リリアは満面の笑みで頷いた。


「もちろんです!」


「勉強を始めるのに、遅すぎることなんてありません。」


その言葉に、あちこちから声が上がる。


「私も習いたい!」


「計算を覚えたい!」


「手紙を書けるようになりたい!」


リリアは嬉しそうに笑った。


「じゃあ、夜は大人の授業にしましょう!」


「昼は子ども。」


「夜は大人。」


「みんなが学べる学校です!」


住民たちから大きな拍手が起こった。


建設が始まる。


リリアは設計図を広げながら説明する。


「教室は明るく。」


「窓は大きく。」


「風がよく通るように。」


「本を読む部屋も作ります。」


「本だけの部屋?」


アルトが驚く。


「図書室だよ。」


「本は何度でも先生になってくれるから。」


その言葉に、王都から来た学者が深く頭を下げた。


「素晴らしい考えです。」


午後になると、校舎が完成した。


木の香りが漂う二階建ての建物。


広い教室。


大きな黒板。


木製の机と椅子が整然と並ぶ。


図書室には、本棚がずらりと並び、王都から寄贈された本が少しずつ収められていた。


校庭には、大きな一本の木。


その木陰には丸いベンチが置かれている。


「休み時間はここで遊べるね。」


リリアが笑う。


クラフトガイドが光を放つ。


---


【施設完成】


王立学びの学校


★★★★★


【効果】


・子どもの成長速度上昇


・技術習得速度上昇


・住民幸福度上昇


・移住希望者増加


・文化レベル上昇


---


さらに、新しい通知が表示された。


【人口 120人】


【国家レベル 4】


【新施設解放】


中央市場


「もう百人を超えたんだ。」


リリアは驚いた。


いつの間にか、新しい住民が少しずつ増えていたのだ。


鍛冶屋には弟子が入り、パン屋には行列ができ、農地では新しい畑が広がっている。


国は確実に成長していた。


その日の夕方。


リリアは完成した学校を見回っていた。


誰もいない教室。


夕日に照らされる机。


窓から吹き込む優しい風。


「ここから、この国の未来が育つんだね。」


アルトが隣に立つ。


「君が作る建物には、必ず理由がある。」


「家は暮らしのため。」


「公園は笑顔のため。」


「学校は未来のため。」


リリアは照れくさそうに笑った。


「次は生活をもっと便利にしたいな。」


「市場かな?」


「うん!」


「買い物するだけじゃなくて、人が集まって、おしゃべりして、新しい出会いが生まれる場所にしたい。」


アルトは微笑みながら頷いた。


「それなら、きっとこの国で一番賑やかな場所になる。」


夕暮れの町には、学校帰りの子どもたちの笑い声が響いていた。


まだ始まったばかりの小さな国。


しかしその笑顔は、王都にも負けないほど輝いていた。


そして翌朝、リリアは新しい設計図を広げる。


そこに描かれていたのは、噴水を中心にした大きな広場と、色とりどりの店が並ぶ通り。


『中央市場 建設計画』


いよいよ、この国の心臓となる場所づくりが始まる。


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