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『みんな作れるのに誰も作らないので、元ミニチュアコレクターが本気を出したら国ができました』  作者: eccen.
第1章 まず家を建てよう

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第4話 家具クラフトと最初の弟子

翌日。


私は朝から家具作りに没頭していた。


「うーん……」


テーブルを見つめる。


悪くない。


だが何かが足りない。


私は木材を追加した。


脚を少し細くする。


角を丸くする。


縁に小さな装飾を付ける。


すると。


【家具品質 上昇】


表示が出た。


「やっぱり!」


思わずガッツポーズ。


この世界のクラフトは面白い。


ただ作るだけじゃない。


工夫すれば評価される。


こだわれば完成度が上がる。


まるで前世の模型作りだった。


私は夢中で作業を続けた。


椅子。


棚。


収納箱。


小さな飾り台。


気付けば家の中はずいぶん賑やかになっていた。


その時だった。


遠くから声が聞こえる。


「ここだ!ここだ!」


「本当にあるのか?」


「俺は見たんだって!」


どうやらグレッグが誰かを連れてきたらしい。


私は窓から外を見る。


森の向こうから三人が歩いてくる。


グレッグ。


白髪混じりの男性。


そして小柄な少女。


三人は家の前で立ち止まった。


そして。


固まった。


「……」


「……」


「……」


沈黙。


最初に動いたのは白髪の男性だった。


「グレッグ」


「なんだ?」


「これは家だよな?」


「家だ」


「貴族の別荘じゃなく?」


「家だ」


「本当に?」


「家だ」


男性は頭を抱えた。


私は慌てて外へ出る。


「あの……」


三人がこちらを見る。


グレッグが紹介した。


「この人が村長のモルガンだ」


なるほど。


村長さんか。


モルガンは私を見る。


家を見る。


また私を見る。


「嬢ちゃん」


「はい」


「本当に一人で作ったのか?」


「作りました」


「全部?」


「全部です」


再び沈黙。


そして。


「家ってそんな凝るものだったのか……」


本気で言った。


その顔があまりにも真剣だったので、私は少し笑ってしまった。


「普通じゃないんですか?」


「普通じゃない」


即答だった。


「うちの村の家を見たことあるか?」


「ないです」


「全員四角だ」


そう言われて少し気になった。


すると今度は少女が前へ出る。


キラキラした目で家を見ている。


「すごい!」


第一声がそれだった。


「お姉ちゃんが作ったの?」


「うん」


「可愛い!」


私はその言葉に感動した。


分かる人がいた。


この世界にも。


少女は興奮した様子で家を見回す。


窓。


屋根。


花壇予定地。


全部見ている。


「この窓好き!」


「私も好き!」


意気投合した。


モルガンが苦笑する。


「ハンナだ」


少女は元気よく頭を下げた。


「ハンナです!」


「リリアです」


「よろしくお願いします!」


元気な子だった。


するとハンナが言う。


「中見てもいい?」


「いいよ」


その瞬間。


誰よりも先に飛び込んだ。


元気すぎる。


家の中へ入ったハンナはさらに大騒ぎした。


「わぁ!」


「机だ!」


「椅子だ!」


「棚だ!」


楽しそうで何よりである。


だが。


数秒後。


ハンナが不思議そうな顔をした。


「なんでこんなに作るの?」


「え?」


「使えるならこれで十分だよね?」


リリアは固まった。


その発想が衝撃だった。


使えるなら十分。


確かにそうだ。


だが。


私は真剣な顔で答えた。


「可愛い方が嬉しいから」


ハンナはぽかんとした。


モルガンもぽかんとしている。


グレッグもぽかんとしている。


なんだろう。


この世界の人達。


本当に装飾文化が薄いらしい。


私は棚の上を指差した。


「ほら」


「?」


「ここに花を飾ったら素敵じゃない?」


三人は考える。


数秒後。


ハンナだけが大きく頷いた。


「素敵!」


「でしょ!」


再び意気投合。


モルガンは困った顔になった。


「グレッグ」


「なんだ」


「この二人似てるな」


「かもしれん」


そんな会話が聞こえる。


私は聞こえないふりをした。


すると突然。


クラフトガイドが光る。


【新規クエスト】


【庭を作ろう】


【花壇を設置する】


報酬


【園芸スキル解放】


「庭!」


思わず声が出た。


ハンナが反応する。


「庭作るの!?」


「作る!」


「手伝う!」


即答だった。


私は少し笑う。


異世界で初めての友達かもしれない。


こうして。


リリアの家づくりは家具作りから庭作りへ。


そしてハンナという最初の仲間を得て、新たな段階へ進み始めるのだった。

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