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『みんな作れるのに誰も作らないので、元ミニチュアコレクターが本気を出したら国ができました』  作者: eccen.
第1章 まず家を建てよう

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第2話 木材集めと理想の家

「まずは家を建てよう!」


そう宣言したものの。


私はすぐに重大な問題に気付いた。


「家って何を作ればいいの?」


森の中で一人、腕を組む。


クラフトゲームなら最初は四角い箱だ。


壁を作る。


屋根を付ける。


ベッドを置く。


終わり。


だが――


それでは面白くない。


私は元ミニチュアコレクターなのだ。


どうせ作るなら可愛い家がいい。


住んでいて楽しい家がいい。


見ているだけで幸せになる家がいい。


「うん、やっぱり理想の家を作ろう」


私は大きく頷いた。


その瞬間。


【新規目標設定】


【理想の家を建てる】


【達成率 0%】


本が勝手に反応した。


「そんな目標まで出るの!?」


便利すぎる。


私は早速作業を始めた。


まずは木材集めだ。


簡易斧を持って木に向かう。


コン。


すると木が光り、


ポンッ!


木材が十個出現した。


「楽!」


思わず笑う。


前世なら木を切るだけで大仕事だった。


しかしこの世界では違う。


クラフトスキルがある。


木に触れるだけで素材化できる。


私は次々と木を回収していった。


一本。


二本。


三本。


四本。


気付けば周囲に大量の木材が集まっていた。


【木材 120】


【木材 130】


【木材 150】


数字が増えていく。


楽しい。


ものすごく楽しい。


まるでゲームの序盤そのものだった。


「次は石かな」


近くの岩へ向かう。


触れる。


ポン。


【石材×20】


「便利!」


また笑う。


私は完全にテンションが上がっていた。


木材。


石材。


繊維。


次々と集める。


気付けば太陽はかなり傾いていた。


「まずい」


そろそろ本当に家が必要だ。


私は開けた場所へ移動した。


小川も近い。


日当たりも良い。


景色も綺麗。


完璧だった。


「ここにしよう」


地面を見渡す。


そしてクラフトガイドを開いた。


【簡易住宅】


必要素材


木材×50


石材×20


繊維×10


「おお」


建築レシピまであるらしい。


私は迷わず選択した。


光が集まる。


木材が浮く。


石材が組み上がる。


そして数秒後。


家が完成した。


「……」


私は黙った。


目の前には家があった。


確かに家だった。


だが。


「ダサい」


四角だった。


とても四角だった。


四角い壁。


四角い屋根。


四角い窓。


まるで倉庫だった。


「いやいやいや」


私は首を振る。


ダメだ。


全然ダメだ。


こんなの住みたくない。


せっかく異世界に転生したのだ。


もっと可愛い家がいい。


もっと夢がある家がいい。


私は即座に解体を選択した。


ポン。


家が消える。


素材が戻る。


【木材+50】


【石材+20】


【繊維+10】


「よし」


もう一度作る。


今度は自分で設計する。


壁の位置。


窓の位置。


入口。


屋根。


頭の中で理想のドールハウスを思い浮かべる。


前世で何度も見た写真。


雑誌。


模型。


展示会。


その記憶を総動員する。


「窓は大きめ」


「入口はアーチ型」


「屋根は少し傾斜を付けて……」


光が集まる。


木材が動く。


石材が積み上がる。


少しずつ形になっていく。


数十分後。


私は完成した建物を見上げた。


「おお……」


さっきよりずっと良い。


まだ小さい。


まだ質素だ。


それでも。


ちゃんと家に見える。


住みたくなる家だ。


私は思わず笑顔になった。


その時だった。


【クラフトレベルが上昇しました】


【レベル1→レベル2】


【新レシピ解放】


【木製チェア】


【木製テーブル】


【木製ベッド】


「家具!」


目を輝かせる。


家だけでは終わらない。


家には家具が必要だ。


椅子。


机。


ベッド。


棚。


カーテン。


観葉植物。


やりたいことは山ほどある。


私は新しいレシピを見ながら笑った。


「今日は徹夜かな」


空は赤く染まり始めていた。


けれどリリアの創作意欲は止まらない。


森の中に建った小さな家。


それは後に王国中の人々が憧れる街づくりの第一歩となるのだった。

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