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『みんな作れるのに誰も作らないので、元ミニチュアコレクターが本気を出したら国ができました』  作者: eccen.
第2章 街づくり開始

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第15話 花咲く街への第一歩

朝日が街を照らす。

パン屋からは焼きたてのパンの香り。

雑貨屋の窓には色鮮やかな商品。

広場では子どもたちが走り回っている。

私は丘の上から、その景色を眺めていた。

「少しずつだけど……」

確かに変わってきている。

以前の静かな村も嫌いではなかった。

でも今は、人の笑顔が増えた。

その笑顔を見るたび、胸の奥が温かくなる。

「おはよう。」

隣にアルトが立った。

「またここにいたのか。」

「朝はここから街を見るのが好きなの。」

アルトも景色を見渡す。

「いい街になってきた。」

「まだまだよ。」

私は笑う。

「これからもっと花を増やす。」

「花屋か?」

「うん!」

そう答えた瞬間、クラフトガイドが光った。

【新規クエスト】

花屋を建設しよう

報酬

・珍しい花の種

・景観評価上昇

・住民幸福度上昇

「よし!」

私は勢いよく丘を駆け下りた。


まずは花を育てる人を探す。

モルガンに相談すると、すぐに一人の女性を紹介してくれた。

「この子だ。」

現れたのは、薄緑色の髪をした少女だった。

年齢は十六歳ほど。

少し恥ずかしそうに頭を下げる。

「フィオナです。」

優しい声だった。

彼女の家の庭には、たくさんの花が咲いている。

赤。

青。

黄色。

白。

種類も豊富だ。

「全部あなたが育てたの?」

「はい。」

「すごい!」

私は思わず駆け寄る。

花びらをそっと触る。

どれも元気いっぱいだ。

「こんなに綺麗な花、初めて見た。」

フィオナは照れくさそうに笑った。

「花が好きなんです。」

その一言で決めた。

「花屋さん、やりませんか?」

フィオナは目を丸くする。

「私が?」

「うん。」

「でも、お店なんて……。」

「私が建てる。」

私はいつものように胸を張った。

「フィオナさんは花を育てるだけでいい。」

しばらく悩んだ後、彼女はゆっくり頷く。

「……挑戦してみます。」

「ありがとう!」

私は思わず手を握った。

また一人、仲間が増えた。


その日の午後。

花屋の建設が始まった。

今回のテーマは――

『森の中の小さな花屋』

木のぬくもりを生かした外壁。

白い屋根。

大きな窓。

入口には木製アーチ。

アーチにはツル植物を絡ませる。

「かわいい……。」

ハンナがうっとりする。

「でしょ!」

私は満面の笑みだった。

花屋だからこそ、建物自体も花のように優しくしたかった。

アルトも木材を運びながら呟く。

「店というより、おとぎ話の家だな。」

「最高の褒め言葉!」

私は笑った。

作業は順調だった。

フィオナは花壇を整え、花を植えていく。

私は入口のアーチを組み立てる。

アルトは屋根を仕上げる。

グレッグは看板を彫る。

村人たちも自然と手伝ってくれた。

もう誰も、

「なんでそんなに凝るんだ?」

とは言わない。

代わりに、

「ここには白い花が似合う。」

「ベンチは窓の横がいいな。」

そんな声が聞こえるようになった。

私は嬉しかった。

みんなの考え方が少しずつ変わってきている。


夕方。

最後の花を飾る。

その瞬間。

花屋全体が柔らかな光に包まれた。

【施設完成】

フィオナの花屋

【景観評価+20】

【住民幸福度上昇】

【街の魅力上昇】

すると――

ふわり。

花の香りを運ぶ風が街を吹き抜けた。

パン屋の前を通り。

雑貨屋の窓を揺らし。

広場へ流れていく。

子どもたちが歓声を上げる。

「いい匂い!」

「お花だ!」

フィオナは目に涙を浮かべていた。

「こんな素敵なお店……夢みたいです。」

「夢じゃないよ。」

私は笑う。

「ここから始まるんだから。」

その時だった。

街道から一台の豪華な馬車が近づいてきた。

村人たちがざわつく。

「貴族か?」

「商人じゃないぞ。」

馬車はゆっくり広場で止まる。

扉が開き、一人の初老の男性が降りてきた。

身なりの良い服。

胸元には王国の紋章。

男性は街を見回し、静かに息を呑んだ。

「……報告以上だ。」

小さくそう呟く。

その言葉を聞いたアルトの表情が、一瞬だけ引き締まる。

リリアはまだ気付かない。

この男性が王都から派遣された視察官であり、

彼の報告によって、この小さな街の名が王城に届くことになるとは――。

こうして、小さな街は王国の歴史へと足を踏み入れ始めたのだった。


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