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引きこもり吸血鬼の怠惰なる引退生活  作者: 雪菊


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ちょっとしたワガママ


「やだ。ドラクルさんと回る」



 意外にも、小娘がそんな駄々をこねた。



「絶対ドラクルさんと言って頭にマルスの赤い帽子被せるし、一緒にコインブロック叩くし、チャーリーの魔法学園シリーズのアトラクションに乗る」

「楽しそうです!」



 豆太まで乗り気なのだが、あのな。これは仕事でだな……。

 自分たちには関係ない? それはそうだ。



「では、集まりに参加した翌日に付き合うというのはどうだ?」



 疲れて死んだ顔をしているかもしれんが、集まりには参加しておかなければならない。

 こういう会合に参加しなければ得られぬ情報もあるからな。危ないダンジョンや、新たに発見されたダンジョンギミックや魔物、敵対組織の動きなど、共有してもらえることはありがたい。私からもこの間のクソモンスターに関する発表をしておく予定だ。許してはおけん。次にあのようなモンスターが生まれた場合、一早く滅ぼすために情報は共有しておかなければ……。



「……絶対?」

「ああ」

「約束破ったら、この間の可愛い姿のまま一週間」



 そこまでのことか……?

 それでいいならばやるが。姿を変えること、それも過去の自分の姿であれば大した手間ではない。単純に力が落ちるので進んでやりたいものではないが。



「お前ら……フェリクスだって行きたくて行くわけじゃねぇんだから」

「後輩はずっと息子だが、私は娘ではないんだ。思い出を作れるうちに作っておかなければ」

「あ。でも、ラウルさんと結婚したら娘になれるのでは?」

「その手があったか!」

「その手があったかじゃねぇよポンコツ」



 確かに小娘は卒業後は安倍の屋敷で修行に入るが、遊びに来ることをジジイだって止めんだろうに。変なやつだ。

 ラウルにポンコツと言われたのが嫌だったのか、ムッとしながら「無理ではないか?」と豆太に言うのもやめろ。お前はちゃんと腹ペコポンコツ小娘だ。諦めろ。



「そもそも、チケット自体がフェリクスが仕事をやっている間は邪魔すんなって意味だろ」

「楽しい場所のチケットを寄越しておいて、贈り主の分がないのは嫌がらせでは?」

「それはそうかもしれん」



 マルスエリアは私も気になっていたのだ。しかし、人が多い場所はあまり得意ではないからな。あと、みぬおんという猫のキャラクターは可愛い。まぁ、アルテには負けるが。アルテ以上の猫はこの世にはいないからな。



「しかし、重要な集まりなのも確かだからな」



 道満殿もこの集まりを機に日本に戻ってきているというし、豆太には宿で会えることを伝えておくべきか? しかし、こういった嬉しいだろう出来事はサプライズの方がいいかもしれん。



「ラウル。ヘスティアやジーク、マデリーンも集会に参加する。小娘たちがやらかさんように頼むぞ」

「わかってますよ」



 溜息を吐いて、「仕方がないな」という様子だが、お前も私を振り回すのを楽しみにしていたようだしな。

 まぁ、無理やりにでも時間を作るのは親の使命か。

いつも読んでいただき、ありがとうございます。


これ、罰則受けた方がヘスティアは喜ぶかもしれない。

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