聖なる騎士の煌めき
スライムのダンジョンは以前小娘と踏破したものと同じく洞窟型ダンジョンだった。
小娘の出したスライムの王冠を持ってこようか少し悩んだが、基本的に私が敵わない相手などいないのでやめた。まともに倒して行った方がスライムが強くなっているか、どの程度の相手かをしっかり確認もできるしな。
「外にまで罠が広がっていたのでどうなることかと思いましたが……案外普通のダンジョンのままですね」
「そうでもなさそうだ……ぞ!」
足元の石を蹴飛ばすと、壁に引っ付いていた擬態するタイプのスライムが転がった。そして、ちょうどそこに罠もあったらしい。床から緑色のスライムが出てきてそれを呑み込んだ。
「見ろ。悪質だ。この感じでは、宝箱が落ちていたところでミミックであることを疑うのが正解だろうな」
全く旨味がない場所だな……。
魔石も回収するなら魔法等を使った方が安全だろう。
「これは、我々のような近接が得意なハンターだけだとかなり面倒な……」
「ハンターのほとんどはそうだろう」
たまにはもう少し楽なダンジョンを任せてほしいものだが、そういったものに元魔王は起用されんか……。仕方がないことだ。
「ですが、僕と一緒ならばそんな心配はいりませんとも」
何がだ。
そう思った瞬間、聖悟の白い鎧が輝き始めた。
「これこそが聖なる騎士の煌めき!」
騎士と言うか、鎧の煌めきというか、発光……?
普通に目が焼けそうなのだが!? 慌ててサングラスをつける。これはあれか。シャイニングテリトリーとかいう魔法か。学園で習うものではあるが……それでも、これほど意味の分からん発光を見たことがないぞ!? 本来自身が立つ大地の中心で発動するもののはずだが、それを鎧に適用することで移動できるようにしているのか……。こういうダンジョンでは多くの魔物や罠を破壊できてよさそうだが、これ、私、いる?
「帰っていいか?」
「何故ですか!?」
いやだって、私がやらなくてもよさそうだし……。
見てみろ、周辺の触手だったらしきものやスライムがお前が歩く度にジュワッと蒸発しているではないか。ハンター協会は今度からこういったダンジョンは聖悟を派遣するべきだぞ。
「ドラクルさんがいないなら僕も帰ります! 成長を見てもらうために頑張っているのに!」
「元々できるやつの成長をどう見ろというのだ」
最初は弱かったが、防御方面をかなり強化した結果、今はその肩書に恥じぬ強さを身に着けることができているぞ。私の評価などいらんだろう。どうしてお前といい、太郎といい、私の評価を気にするのだ?
「私は少し距離を取って歩くから、そのまま前を歩いていろ」
その魔法な。かなり有用だ。それはわかる。
……だがなぁ。私もどちらかというと闇属性の生物だから、それと相性が悪いんだ。吸血鬼を倒しに来るのがどういった存在かを思い出してもらえれば、『聖なる騎士の煌めき』とやらが私にも少しばかり、効果があるのを理解してもらえるな?
それはそれとして、次の階層までは楽ができるな。素晴らしい。
いつも読んでいただき、ありがとうございます。
▼ 聖悟の 聖なる鎧が キラリと 輝いた !
▼ フェリクスは 眩しそうに している !




