09話 治療 ~3~
「――【緩和軽減】」
ウルズさんの治療のために新しく作った魔剣のスキルをさっそく発動させる。
アナライザーの【超高位鑑定】も同時に発動させ、ステータスの変動もリアルタイムでチェックしていく。
(――っ! 思った以上に効果が出ている)
ウルズさんのステータスはおよそ10分の1の状態から、10分の3ぐらいまで回復した。
もう一度使えばかなり良くなると思い試したが、二度目の効果は表れなかった。
連続使用がダメなのか、対象には1回だけという制限があるのか、ともかく、出来ないみたいだ。
「――魔剣でも、治すのは無理か、、、」
「ですが、、、 非常に、楽になりました、、、 ありがとうございます」
ウルズさんの顔色は、随分と赤みが戻ってきていた。
だが、俺が請け負ったのは治すことだ。
命はすでに助けられそうだが、出来ることなら完治させたい。
(他に出来ることは、、、)
聖剣のスキルで治す ⇒ 聖剣を打つ時間がかかる
回復ではなく治療の魔法を覚える ⇒ 知っている人や教えてくれる人などに心当たりはない
(――だめだ。いい手が思いつかない、、、)
こういうときは、初心に帰るのが一番だ。
まず、ウルズさんの病状から。
ウルズさんは魔素中毒によって死に瀕していた。
今は魔剣のスキルで少し回復した状態。
現認の魔素中毒とは、体内に耐えきれない魔素というものが入り込んでいる状態。
治すなら、体内の魔素を出すか、魔素に耐えきれる体にするか、だろう。
(――魔素を体内から出す、、、?)
どうすれば魔素というのを出せるのか。
――そもそも、魔素とはなんのことだろう?
俺は魔素について知ることはない。
ラノベの知識でいいのならば、魔力の源のことだったりすることが大半だ。
しかし、この世界は魔力ではなくMPが魔法を使う力として認識されている。
(――わからないなら、【超高位鑑定】だ)
失礼して、ウルズさんにもう一度【超高位鑑定】を使う。
ステータスの魔素中毒に焦点をあて、さらに説明の魔素に焦点を変える。
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魔素:エネルギーの一種。魔族の体を構成する物質でもある。ある程度の量が集まっているものを魔力と呼ぶ。
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――なるほど。
大体ラノベの知識で間違っていないわけか。
(――待てよ? 魔素がエネルギーだったら、もしかしたら、、、)
例えば炎。
これも熱エネルギーという、エネルギーの一種だ。
そして、炎を操る魔剣は作ることができる。
なら、魔素の場合でも、、、
魔素を操る魔剣を作れるかもしれないっ!
(――やってみる価値はあるっ!)
【アイテムボックス】から、MPタンクシリーズ(さっき使ったのとは別の)を取り出す。
そして、魔剣の素材となる金属だけど、、、
(魔素や魔力といった響きなら、、、 ――クロイロカネを使ってみるか)
各種イロカネは属性魔法などとの相性がいい。
そして魔力や魔素ならイメージ的には黒色と、ラノベでは相場が決まっている。
(あとは、魔素を操れるイメージを持って、、、 ――って、魔素がイメージ出来ない)
魔素とはMPとは違うものらしいので、中々上手くイメージが出来ない。
見たり、感じたりすれば、わかるとは思うんだけど、、、
(――っ! そういえば、確かイービルが)
ルジオールで出会ったイービルは、魔王の配下の魔族だ。
思い返せば、MPとは違う不思議な力を持っていた。
(あれがたぶん魔素あるいは魔力のはずだ!)
今度こそ、魔素を操るスキルを思い描く。
足りないイメージの分は、きっとMPがどうにかしてくれると信じ、またMPタンク2振り分のMPをつぎ込む。
「――【武具創生!!!】
MPとクロイロカネが混ざり、少しの時間を経て剣が出来上がる。
クロイロカネの黒色そのままの刀身をもった、なんとも異色の黒い剣が完成した。
その新しくできた黒剣に祈りを込めつつ【超高位鑑定】を使う。
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名前:魔剣『マニピュレート』
レアリティ:11
攻撃力:B
斬れ味:B
耐久性:B
恩恵: HP+ 50
MP+100
INT+200
スキル:【魔素操作】近くに存在する魔素・魔力を操ることができる
説明:魔素中毒患者を救うために生み出された魔を冠する剣。魔素に干渉できるため、魔族に特攻効果が得られる
レベル65以上装備可能 ※作成者は装備可
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――それっぽいスキルが出来た!




