08話 治療 ~2~
「――お母さんは、助かりますかっ?」
魔素中毒という病気にかかっているルウのお母さんを治療することになった俺は、最初に回復魔法を試してみた。
――結果は、失敗。
ただし多少の効果はあり。
「うん、、、 魔法だと完治は無理みたい」
「そう、ですか、、、」
「でも、回数を掛ければ、今の状態からは回復できそう。違う治療も試してみるけど、ダメだったら回復魔法を出来るだけ使って、その間に魔法薬を買いに行こう」
「それじゃ、お母さんは、、、!」
「――十中八九、助かると思う」
「良かった、、、」
安堵したのか、ルウが今までこらえていたものを吐くように大きく息をつく。
そして、そのまま倒れこみそうになる。
「――っ! おっと、、、」
「すみません、、、 安心したら急に眠くなっちゃって、、、」
「お母さんのことは任せて、ゆっくり休んで」
「すみません、、、 あとは、お願いします、、、」
状況を考えれば仕方ないだろう。
日本で電車やバスや新幹線で行く旅行とはわけが違い、母親を助けるために危険な道のりを1、2ヵ月かけて移動したはずだ。
それも、混血魔としての苦労も重なったと思うと、どれだけの重荷だったのか想像がつかない。
「――布団は、、、 これか」
近くにあった綺麗に畳まれていた布団をひき、すでに寝てしまったルウを運び寝かせる。
念のため【超高位鑑定】で鑑定しておく。
魔素中毒にかかっていることも、旅のせいで他の病気になっていることもなく、ただ疲れが出ただけみたいだ。
「――すみません、、、 娘が、、、」
「このぐらい、大丈夫ですよ。それよりもウルズさんの治療を再開しますね」
ルウに掛け布団を掛けて、ウルズさんの近くに座りなおす。
――治療、再開だ。
◇◆◇
(――回復魔法は効果が薄かったし、、、 病気を治すような魔法は知らないし、、、)
どうやら魔法で治すのは今の俺では無理みたいだ。
(となると、魔剣や聖剣のスキルか、、、)
今【アイテムボックス】の中にある魔剣と聖剣には、病気に関するスキルを持ったものはない。
怪我は魔法で治せると思ったものの、病気にまで考えが至らなかったので、用意はしていなかったのだ。
少し後悔するが、今更どうしようもない。
それよりも今出来ることを考えよう。
(――聖剣を作る時間はないから、今からでも間に合うのは魔剣か)
果たして、病気を治すスキルを持った武器を作ることは出来るのだろうか、、、
病気を治すスキルなど、武器が持つスキルではない。
むしろ所持したものを呪う武器ならば作れそうな気はするが。
「――とりあえず、当たって砕けてみるか、、、」
【アイテムボックス】から、MPタンクシリーズ2振りを取り出し、装備を入れ替える。
ウルズさんがそれに気づき、目を見開く。
もしかして、これが聖剣だと気づいたのかもしれない。
一応鞘から抜かなければ、聖剣だとはわからないと持ったのだが、、、
――あっ。
病人の前で、武器を装備し直したことに疑問も持っただけか。
確かに普通に考えれば非常識だよな。
――まあ、今から武器を作るんだし、説明するよりも見てもらったほうが早いだろう。
状況を説明することを省き、武器の差材として、せめてレアリティが高いアダマンタイトを【アイテムボックス】から取り出す。
またもや、突然出てきたインゴットにウルズさんが疑問を持ったみたいだけど説明をすることはしない。
「――【武具創生】
病気を治すことのできるスキルを思い描きながら、スキルを発動させる。
どんな効果が期待できるかわからないので、MPタンク2振り分のMPをつぎ込んで発動させてみる。
消費されたMPと素材のアダマンタイトが混ざり合い、少しの時間を経て剣の形に変化していく。
剣が完成したことを確認して、MPタンクを【アイテムボックス】に仕舞い、代わりにアナライザーを取り出す。
そして、完成した剣に【超高位鑑定】を発動する。
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名前:魔剣『メディケーション』
レアリティ:11
攻撃力:B
斬れ味:B
耐久性:B
恩恵: HP +200
MP +100
VIT+150
スキル:【緩和軽減】魔法や自然現象から病気や怪我まで、あらゆる現象を多少和らげる。
説明:作成者が病気を治すことを望み、膨大なMPを使用して作成した魔を冠する剣。
レベル65以上装備可能 ※作成者は装備可
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――思い描いたスキルとは少し違うけど、なんだがすごいスキルが生まれた気がする




