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レベル1鍛冶師だけど、ゴブリン倒すために聖剣を作ります  作者: zephyrusu
第4章 レベル1鍛冶師だけど、勇者になってもレベルは1のままらしい
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16話 黒ずくめの正体


「――『神鋼』を、食べた、、、だと、、、」


 決勝戦が始まる直前。

 司会者が優勝賞品を紹介していると急に、イービルとモルが優勝賞品が入ったショーケースめがけ飛び出した。

 そして、モルがその腕力でショーケースを壊すと、中にあった『神鋼』を食べてしまった。


(――俺の『神鋼』が、、、)


 『神鋼』を食べたモルが満足気にひときわ大きいゲップをする。

 すると、モルの体が膨れ上がり、黒いコートが脱げていく。


「――なんだよ、あれは、、、」


 現れたのは異形の獣。

 まるで、ルジオールに来るまでに遭遇した魔物の実験体にそっくりだった。


「ふはははははは! 遂に『神鋼』を取り込んだ我がしもべが完成したっ!」


 モルの変化に気を良くしたようにイービルが高笑いする。

 さらに気分が高揚したのか、姿を隠すために着ていたであろうコートを脱ぎ捨てる。

 隠されていた姿が、露わになる、、、


 ――その中にいたのは、人間ではなかった。

 浅黒い肌に、特徴的な巻角。

 極めつけに、人の腕ほどある尻尾が生えている。


「――きゃああああ!」

「魔族だっ!」

「魔族がでたぞっ!」


 今まで決勝戦を楽しみに来ていた観客が悲鳴を上げて逃げ惑う。

 ――騒然、パニック。

 そんな言葉が会場を支配する。


「――くはははははは! 逃げ惑うがいい、人間ども!」


(――魔族か、、、)


 そうイービルは魔族だった。

 そして、たぶん魔物で実験を繰り返していた犯人であり、その実験の完成体がモルなのだろう。


 ――だが、そんなことはどうでもいい! 

 俺が楽しみにしていた『神鋼』を奪った。それだけで、万死に値する。


 怒りに身を任せ、魔剣でイービルに斬りかかろうとする。

 しかし、誰かの手が俺の行方を遮った。


「ノーラ、、、?」

「シロウさん、お待ちを。――あれをご覧ください」


 ノーラが指さす方を視線で追う。

 視線の先にいたのは4人の冒険者。

 フーとライ、それとゴウとリキ。

 この闘技大会の優勝候補の4人だった。


「魔族に好き勝手はさせねえぜっ!」

「何が目的か知りませんが、私たちがいる大会でことを起こそうとしたことを悔いるがいい!」

「試合は負けましたが、今回は負けませんぞ」

「その通りです。我が筋肉の前にひれ伏しなさいっ!」


 各冒険者が、それぞれの得物を手にイービルとモルに攻撃を始める。


「――シロウさん、今のうちに逃げましょう!」

「どうして?」

「どうして、ではありませんっ! 相手は魔族です。確かにシロウさんはお強いかもしれませんが、魔族は別です。それに、あのモルとかいう生物。あれは危険です」


 そういえば、ノーラには俺が聖剣を作れることを話してはいなかった。

 この緊急事態に逃げろと言うのは、当たり前のことかもしれない。


「――いや、俺なら大丈夫。それよりあいつらが」


 今の短い会話の間に4人のAランク冒険者たちは、すでに倒されていた。

 死んではいないようだが、みんな揃って気絶している。


「それに、あの魔族とモルとかいう奴を止めないと、このままじゃ町に被害が出そうだし」

「そうかもしれません、、、 ですが、やはりシロウさんが戦う必要はないと思います」

「戦う理由なら、あるさ」


 ――そう、あいつらは俺の『神鋼』を奪った。

 その罪をあがなわせなければ!


「ノーラは、ミミとココネとシェーラをお願い。たぶん観客席にいると思う。3人を連れて避難してくれ」

「で、ですが、、、」

「いいから、早くっ! 俺には魔剣があるから大丈夫だ。それより早く3人を」


 3人は魔剣を持っているものの、それでも強さはAランク冒険者とほとんど変わりない。

 現に4人のAランク冒険者がすでに倒されている。

 たぶん、この事態を収拾することができるとしたら、きっと俺だけだ。


「――くっ。わかりました。3人を避難させたら戻ってきます。それまでは決して無理をしないでください!」


 どうやら、納得してくれたみたいでノーラは観客席の方へ向かって行った。

 ついでにあたりを見渡すと、ほとんどの観客は避難できていた。

 4人の冒険者が稼いだ時間は、短いながらも無駄ではなかったみたいだ。

 

 これなら、魔剣の剣核開放ぐらいなら使っても問題ないだろう。


 ――さあ、お仕置きの時間だっ!



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