14話 決勝進出決定
「――斬り裂け! 白銀刀・初名【斬れ味上昇】!」
「なんだとっ!? まさか俺の自慢の斧が、、、」
ノーラが白銀刀・初名のスキルを使って、相手の武器である斧を斬り壊した。
いかに高ランクの冒険者と言えども俺のように主力に成り得る武器をいくつも持つのは難しい。
例え予備の武器があったとしても、ノーラは特に消耗した様子はない上に主力の武器を壊されたのだから、これ以上続けるのは無駄だろう。
それにもう1人の仲間は俺が倒している。
もう一人はAランク冒険者だったが、剣術が発揮できるようになった俺の相手ではなかった。
魔剣の一撃を食らって、ぐっすりお休み中だ。
「――くっ、、、 俺たちの、負けだ」
『決まりましたっ! A組を勝ち抜き、決勝戦に駒を進めたのはノーラ選手とカメリア選手のペアだっ!!!』
相手が降参を認め、俺たちの勝ちが決まる。
これで『神鋼』に王手が掛かったわけだ。
「お疲れ様です、カメリア様」
「うん。ノーラもお疲れ」
――次はいよいよ決勝。
もう少しで、念願の『神鋼』を手に入れることができる。
◇◆◇
『――B組を勝ち抜き決勝戦へ駒を進めたのはイービル選手とモル選手のペアだっ! やはり今回もイービル選手は何もせず、モル選手だけで勝ち抜いた!』
「――やっぱり、こいつらが残ったか」
B組を勝ち抜いたのは思った通りイービルとモルのペアだった。
二回戦までと同じようにモルだけで戦ったので、イービルの方の戦い方はわからなかった。
――できれば、少しでも情報が欲しかったんだけどな。
まあ、優勝候補だったAランクペアを倒しているのだから、Bランクペアでは荷が重いか。
『これで決勝戦は、ノーラ選手・カメリア選手のペアと、イービル選手・モル選手のペアに決まりました。一体決勝戦ではどのような戦いが見られるのでしょうか!!! シューゾさんは決勝戦はどうなると思いますか?』
『この2組のペアは、まだ全力で、熱くなっていない! 決勝戦ではきっと熱い試合が見れると俺は思っています!』
『シューゾさん、ありがとうございました。なお、決勝戦明日の午後1時からとなります。皆さん振るって観戦してくださいね!』
決勝戦は選手たちが満足に戦うため、休息をとれるように明日になっている。
別にそこまで疲れているわけではないので、作戦を練る時間にでも充てるつもりだ。
――待っていろよ、『神鋼』!
◇◆◇
「――それで、どういった戦法を取りますか、シロウさん?」
「そうだね、、、 イービルとかいう方の戦い方が全く予想つかないからなあ」
「では、せめてモル選手の方だけでも対策練りましょう」
相手はモルだけですべての戦いを勝ち抜いてきた。
おかげで、モルの方はたっぷりと戦闘を見ている。
「戦い方は良くも悪くも野獣のようだし。力任せの感覚頼りみたいな戦いだったからね。俺が相手するのがよさそうだけど」
「ですね。あの力では私では押し負けてしまいます。テクニックで少しはどうにかなるとは思いますが、それでもやはり私では難しいと思います」
イービルが魔法で強化したときのモルの力はゴウリキペアでさえ凌駕していた。
ノーラでは、【戦いの魔笛(コンバット・オペラ】などを使って強化したとしても、勝つことはできないだろう。
だったら俺が相手をするしかない。
「そういえばご主人様は【超高位鑑定】を使って相手のステータスを調べたりなさらないのですか?」
「――うん。最初は使おうかなとも思ったんだけど、俺だけ相手の能力を知ることができるのはフェアじゃないかなと思って」
「シロウ様、まじめすぎるの」
「ですが、シロウ様のそういうところは美点ですわ」
――そんな殊勝なものではないけどね、、、
いざとなったら、魔剣の剣核開放も出来るし、別に大丈夫だと高を括っただけだったりする。
「とりあえず、思いつく対策用の魔剣でも作るか」
「あんまり出来ることないですし、それがいいかと思います」
「シロウ様は何か考えるより、剣を作る方が性に合ってるの」
「シロウ様はお強いですから、きっと大丈夫ですわ」
「あ、剣をお作りになるのでしたら、私も見学させてもらってもいいですか?」
――結局対策とは名ばかりの、魔剣づくりになってしまった




