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レベル1鍛冶師だけど、ゴブリン倒すために聖剣を作ります  作者: zephyrusu
第4章 レベル1鍛冶師だけど、勇者になってもレベルは1のままらしい
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13話 黒ずくめのペア


「――このペアは要注意かもしれないな」


 B組の一回戦が始まり、その試合を観戦している中、気になったペアがあった。

 それは4組目の試合――すなわち最後のグループの試合だ。

 片方はなんの変哲もないCランクペアなのだが、それに対するペアが少し異質だった。


 そのペアは黒ずくめとでも呼べばいいのか、体中を覆い隠す真っ黒なコートを着ていた。

 たぶん俺と同じように素性を隠したいような理由でもあるのだろうが、気になる。

 それに戦い方も少し変わっている。


「――完全な前衛と後衛、ていうわけじゃなくて、前衛の1人だけで余裕ってわけか」


 後ろにいる方が、戦いに参戦することなく勝利したのだ。

 Cランクを2人相手するくらいなら、確かに難しいことではないかもしれい。

 ただ、、、


「――本当に人間か?」


 前衛で戦っていた方は、人間というより獣というような戦い方をしていた。

 武器らしい武器は持っている様子はなく素手で戦っているように見えたのだが、相手に付けた傷は刃物のそれだった。

 思わず、人間か疑ってしまうほど、異質な戦い方だったのだ。


「少し変わった試合でしたね、ご主人様」

「中々斬新だったの」

「まるで、野獣のようなお方ですわね」


 俺だけではなく、ミミとココネ、それにシェーラも今の試合に同じような感想を持ったみたいだ。


『試合終了ですっ! 勝者はイービル選手とモル選手だ。これでA組、B組共に一回戦が終わりました。今回の大会はどうですかシューゾさん?』

『いい試合が多いですね。素晴らしい! この後の試合も皆熱くなってもらいたい!』

『シューゾさん、ありがとうございました。それではA組2回戦に移りたいと思います』


◇◆◇


 俺たちの2回戦の相手は、CランクとBランクペアだった。

 フーとライから比べれば弱かったので特に問題なく勝つことができた。

 ぶっちゃけ、ノーラだけで余裕だったくらいだ。


 次の3回戦の相手はCランクペアに勝ったAランクとBランクペアだが、試合の様子を見ていたところ特に問題なさそうだ。

 それよりも、B組のあの黒ずくめのペアの方が気になる。


『それでは、次がB組二回戦の最後の試合になります。こちらの注目のカードです。優勝候補のAランクペア『剛力』の異名を持つ2人と、前回の試合をたった一人で勝ち抜いたモル選手と、未だ実力がしれないイービル選手の試合となります!』


 ――ちょうど今から試合が始まるみたいだ。

 片方は二つ名持ちのAランク冒険者。

 ノーラも名前を知っているほどの有名人らしい。


『それでは、選手入場です。最初に出てきたのは『剛力』の異名を持つ、ゴウ選手とリキ選手! それに対するは謎の黒い新星イービル選手とモル選手だ!』


 ――『剛力』の異名って、名前をつなげて読むとゴウリキになるからだったりするのだろうか。

 相変わらず、この世界は安易なネーミングセンスに溢れている。


『それでは、試合開始です!』


「――リキ! 開幕から全力で行くぞっ!」

「おうとも。やってやるぞっ!」

「「――『マッスル』」」


 ――本当にネーミングセンスをどうにかした方が良いと思うな。


 ゴウリキペアが同時に魔法を発動させる。

 二人のもともと強調されていた筋肉がさらに膨れ上がり、まるで阿吽の金剛力士像みたいなことになる。


 確かに、剛力の名前は伊達ではなさそうだ。

 ――それに、見た目の割に速い。


「「――悪いが勝たせてもらうぞっ!」」


 ゴウリキの攻撃ただのパンチが、前衛であるモルを捕らえる。

 ものすごい衝撃音が広がり、モルが壁まで吹き飛ばされていく。


(――死んだんじゃないか?)


 見ているこちらが、思わずそんな考えが浮かぶほどの威力だった。

 モルは死ぬことこそ無かったが、ピクピクと体を痙攣させている。


 ――勝負あったか。

 前衛であるモルがあれだけ簡単に負けたのでは、勝ち目は薄いだろう。


(――ん? 魔法か、、、)


 倒されたモルに向かい、イービルが魔法らしきものを使ったように見えた。

 魔力のようなものがモルの身を包むと、モルが先ほどまでの様子が嘘のように立ち上がった。

 それに、コートの上からでもわかるほど肉体が膨張していた。


「私たちと同じような魔法かっ」

「いいでしょう。存分に拳をぶつけ合いましょうぞ!」


 ゴウリキとモルが、まるでノーガードと言わんばかりの肉弾戦を始める。

 しかし、今度はモルも負けてはいない。

 ゴウリキ2人を相手に互角の打ち合いを見せている。


(あの体、なんかおかしいような、、、 それにどっかに見たことあるような)


 ゴウリキと打ち合っているモルの体は、魔法の効果なのか、どんどん膨張していく。

 ただ、それは見ていて気持ちの良いもではなかった。

 コートの上からしか見られないのに、まるで無理やり肉体を変質させているように感じる。


「――まさか、俺たちが肉弾戦で敗れるとは、、、」

「無念、なり、、、」


(――決まったか、、、)


 打ち合いを続けるほどにモルの肉体が強化されていき、ついにゴウリキを打ち破った。

 技術などあってないようなパンチやキックだったが、あそこまで身体能力が高くなるとみていて面白く感じた。

 まあ、モルの筋肉の膨れ上がり方は、見ていて気持ちのいいものでないのは変わらないけど。


 ただ、この試合も結局イービルは戦いに参戦しなかった。

 一応魔法を使ってアシストをするみたいだが、やはり他のペアとは一線を画す実力をもっていそうだ。


 ――決勝戦は、このペアと当たりそうだな



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