02話 魔物の実験体
「――4名様ですね。お部屋の数はどうしますか?」
着いた村は、マラア村という小さい村だった。
その村に1つしかない宿屋に俺たちは泊まることにした。
そして、宿屋の従業員である女性が爆弾発言を落としたでのある。
――いや、本来ならば普通の接客なのだが、、、
問題があったのは、俺たちの方だ。
「今回こそ、俺は1人部屋にしようと思う。それとミミとココネで1部屋、シェーラで1部屋、の合計3部屋でいいか?」
「――良くありません! 私たちはご主人様と一緒がいいです」
「私もシロウ様と一緒がいいの」
「待ってくださいまし。それならば私もシロウ様とご一緒がいいですわ」
と、こんな感じに意見が割れ、話し合いが始まったのだが、、、
「いや、俺は1人のほうが、、、」
「ご主人様は黙っていてください!」
「これは、私たちの問題なのっ!」
「そうですわ。女には時に引けないことがありますのっ!」
早速俺は省かれた。
――いや、俺の問題でもあると思うんだが、、、
結局、大部屋に4人で泊まることに決まった。
一応ベッドの数は人数分あるので、全員で同じベッドで寝るとういう事態は避けることはできた。
――いつになったら、落ち着いて寝られる日がくるのだろうか、、、
◇◆◇
「――それにしても活気がないな」
宿屋を確保した後、まだ昼近い時間だったので、村の中を見て回ることにした。
しかし、気になることがあった。
それは、マラア村がその規模以上に活気がなかったことだ。
「前に来たときは、もっと活気があったの。もしかしたら何かあったかもしれないの」
「少し気になるね。どっかで聞いてみるか」
ちょうど、村人が営んでいるであろう雑貨屋みたいな店があったので、そこのおばちゃんに声をかけてみることにした。
「すみません。ちょっとお聞きしたいのですが」
「なんだい?」
「どうも、前に来た時よりも、村に活気がないと思いまして、、、」
「ああ。あんたは旅人だから知らんのか。最近、この近くで普段は出ない大型の魔物がでてさね。その討伐で村の若い衆が駆り出されたものの、結果が芳しくなくてね」
この世界は、基本何処でも魔物が出没する。
それは、当然マラア村も例外ではない。
と、いっても、普通はスライムやウルフなどの弱い魔物しか出てこないらしい。
ところが、おととい見たこともない大型の魔物がでたらしい。
すぐに、村の中でも少しは腕の立つ若い人と在中していた冒険者でパーティを組み、討伐体を結成した。
ところが、返り討ちに遭い、数人の犠牲とけが人を出して敢え無く断念。
今は、村長などが対策を練っているらしい。
「もしかしたら、避難命令が出るかもしれないから、皆荷物をまとめているのさ」
「おばちゃんは逃げないの?」
「こんな時だからね。もし誰かが何かを買いたい、となったときに開いている店屋が無いと困るさね。どうせ私は逃げるときに持っていく荷物何てほとんどないからね」
「そうなのか、、、 ありがとうおばちゃん。お礼に何か買っていくよ」
「毎度あり。お兄さんも魔物には気を付けることさね」
おばちゃんにお礼を言い、情報のお礼の代わりに、いくつか品物を買った。
話を聞いていたミミやココネ、それにシェーラも何か言いたそうな顔で俺を見てくる。
――気持ちは俺も一緒だよ。
「その大型の魔物ってやつ、経験値稼ぎのついでに狩りに行くか」
「「「はい(なの)っ!」
――俺たちは、大型の魔物がいたという場所に向かった。
◇◆◇
『――ガアアアアアッ!!!』
そこにいたのは、ガイアウルフに似た魔物だった。
しかし、ただ似ているだけで本質は全く別なものだということを【超高位鑑定】のおかげで知ることができた。
鑑定の結果、こいつはどこにでもいる魔物のウルフだった。
しかし、何かの実験体として使われ、異形の変化を遂げたらしい。
実験の影響で放置しても1週間ほどで勝手に死ぬみたいだけど、マラア村を襲う可能性もあるので、倒してしまおう。
「私たちが倒します」
「やってやるのっ!」
「私も加勢しますわっ」
討伐体を撃退したせいか、それとも魔物でも倒したせいなのか、ウルフは地味にレベルが上がっていたので、経験値として美味しくいただくため、俺抜きで戦うことになった。
――念のため、聖剣を準備しておこう。
ミミとココネが、持ち前の俊敏さを活かし、魔剣を使ってかく乱する。
その隙を突いて、シェーラが火属性の魔法を発動させる。
実験の結果か、ウルフは意外なタフさを見せたものの、火属性の魔法が弱点らしく、苦戦するようなことはなく倒せた。
「――みんな、お疲れ様」
戦い終わった皆を労う。
とりあえず、これでひとまずは、マラア村も大丈夫だろう。
――それにしても、一体誰が魔物の実験などしているのだろうか




