01話 初めての剣と刀以外の武器づくり
今回から、4章です。
「――そういえば、シェーラは戦いの方はどうなの?」
ルトリアからルジオールに行くには、陸路で王都とは反対の方角へ進み、いくつか村や町を経由しなければならないらしい。
順調に行っても7日ほどかかる。
道中は、案の定ミミとココネが御者をすると言うので、俺とシェーラは馬車の中で暇を持て余している。
何度も言うようだが、俺はヒキオタのコミュ障持ちだ。
――女性と限られた空間に二人きりというのは、もちろん苦手である。
幸いシェーラはどういうわけか俺に好意を向けてくれているので、嫌というより気まずいだけで済んでいるものの、会話が続かなくて困っていた。
そんな時、現れた魔物をミミが撃退するところを見たので、それを会話のネタにすることにしたのだった。
「私は、魔法を使いますわ。ただ、、、 本当は勇者と共にレベル上げをする予定だったので、そこまで強くはありません、、、」
「そうだったのか。俺が剛田を倒したせいか、、、」
「それは違いますわ。シロウ様には助けて頂いたのですから。それに、あの勇者とでは満足にレベル上げもできなかったと思いますわ」
剛田の性格は、あれだからなあ、、、
あんなことが無くても、安全なレベリングはでいなかったかもしれない。
「それじゃ、レベルは低いの?」
「はい。私のレベルは40ですわ」
「――えっ?」
「――? おかしいですか?」
「い、いや、、、 十分高いと思うけど。ミミとココネもほとんどおんなじレベルだし」
ステータスの上がり方は個人差があるものの、40レベルと言えばBランク冒険者相当になる。
一般的に考えれば高い方だろう。
「私の場合は、勇者を召還するための魔法を使うために、兵士たちにお願いして上げたものですから。それにミミさんとココネさんは、レベル以上にお強いですわ」
「ああ、それは魔剣の恩恵もあるからだね」
「そういえば、シロウ様は『カメリア様』なのですものね。魔剣はお手の物ですわね」
王城に届けた聖剣のこともあり、シェーラは俺が聖剣を打てることも知っている。
それ以前に、『カメリアの魔剣』もだいぶ有名になってきている。
「あっ、シロウ様」
「――どうかした?」
「シロウ様は、剣以外の武器は作れませんか? ――例えば杖など」
「うーんどうだろう? 専門は刀で、剣はその応用で作っているからなあ。【武具創生】で作れるだろうから、魔剣ぐらいの性能でいいなら作れるかも」
「それでしたら、私の杖をお作りになってはいただきませんか?」
ルジオールまでは、まだまだ長い時間が掛かる。
その間の時間つぶしとしては、ちょうどいいかもしれない。
「――わかった。やってみるよ」
俺は【アイテムボックス】から、材料となる金属とMP用の聖剣『MPタンク』シリーズを取り出し、作業に取り掛かった。
◇◆◇
「――【武具創生】」
聖剣『MPタンク』のMPを1本分使って、スキルを発動させる。
シェーラの要望は、背丈ほどの長さを持った杖とのこと。
杖なので、魔法適正が高いイロカネを素材に選んだ。
シェーラは召還魔法などが分類される時空間という特殊な属性と、火属性の素質を持っているらしい。
イロカネには時空間と相性がいいものは無いので、次点で火属性との相性がいいヒヒイロカネにした。
完成した魔杖は、レベル40の制限以内にするために、恩恵はそこまで高くはならなかった。
しかし、シェーラが言うには、火属性の魔法との相性が高く、急激に魔法がうまく使えるように感じるほど、すごい杖だと言っていた。
――気に入ってくれたみたいだ。
時間がたっぷりとあったので、他にも魔物の素材を使った武器などを作ってみたりしていたが、どんなに強い魔物の素材を使っても【武具創生】で作る武器は、レアリティが12を超える――字に聖を冠することはなかった。
それでも、金属オンリーで作るより、性能が上昇するものもあった。
魔物の素材にも特性やランクがあるみたいなので、落ち着いたら魔物の素材を使って聖剣を打ってみようと思う。
――そんな感じで、武器づくりで時間をつぶしていたら、ルジオールに行くまでに通る1つ目の村に着いた




