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レベル1鍛冶師だけど、ゴブリン倒すために聖剣を作ります  作者: zephyrusu
第3章 レベル1鍛冶師だけど、聖剣使っていたら勇者になりました
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17話 新たな旅の道連れ


「――お会いしたかったですわ、カメリア様っ!」


 ルトリアにある『カメリア商会』のいわゆる本店ということになる建物、その一室で俺はウィルドン国のお姫様に抱き着かれていた。

 自分で状況を整理していて、すごいなと思ってしまう。


 ――だってお姫様だよ?

 本物のお姫様に抱き着かれているんだよ?

 コミュ障じゃなければ、かなり嬉しいシチュエーションではなかろうか?

 ――いや、今の俺の状態でも、十分嬉しいけどさ。


「と、とにかく、少し離れてください」

「――きゃっ」


 お姫様の肩を強引につかみ、距離を取らせる。

 その行動に驚いたお姫様が小さい悲鳴を上げ、その悲鳴に思わずびっくりしてしまう。


「――ご主人様? 大丈夫ですか?」

「大きな物音がしたの。シロウ様大丈夫なの?」


 騒ぎを聞きつけたミミとココネが、隣の部屋からやってきた。

 そして、俺たちの惨状を目にして固まる。


「――あっ、、、」

「ご主人様、これは一体どういうことですか?」

「シロウ様、説明するの」


 ――二人の目から、温度が消えた。


 ◇◆◇


「――というわけでして、お父様より『カメリア』様を探すように言われたのですわ」


 ああー。

 ――まあ、そうなるよね。

 あんな変な手紙と聖剣を送ったんだから、、、


「ここへ訪ねてきた理由はわかりました。それでご主人様に抱き着いていた理由は何なのでしょうか?」

「そうなの。そっちの理由の方が肝心なの」

「それは決まっていますわ。私はダンジョンで勇者に純潔を奪われそうになったところをカメリア様に助けて頂きました。純潔を守ってくれたお礼は純潔を捧げるものでしょう?」


 ――あれ? 気のせいかな、、、

 バチバチと、2人VS1人の形で火花が散って見える。


「それは、強引すぎます」

「別にシロウ様は、あたなの純潔なんかいらないの。用事が済んだらさっさと帰るの」

「そうはいきませんわ。王族ともあろう者が、不義理を果たしたては面目が立ちません。私は目的を果たすまで帰るつもりはありませんわ」


 こういうのを押し問答というのだろうか、、、

 互いに一歩も譲ることなく議論は続き、3人の言い争いは夜まで続いた。


 ――ミミ、ココネよ。

 一国のお姫様相手にそこまで啖呵を切れるとは、、、

 立派に成長しているようで、ご主人様は安心したよ。


 ――ついでに俺の現実逃避も夜まで続いた。


◇◆◇


「――これから、よろしくお願いします。カメリア様」


 3人の話し合いの末、停戦協定なるものが結ばれ、お姫様は一緒に行動することになった。

 俺の意見はもちろん蚊帳の外だ。


「あのーお姫様? カメリア様は止めてくれませんか、、、 その名前を外で呼ばれるのはマズいし、なんか恥ずかしい」

「そうでしたら、シロウ様と呼ばせていただきますわ。それと私のことはシェーラとお呼びください」

「わかりました。――シェーラ様」

「『シェーラ』ですわ」


 目力がすごい。

 ――やはりこの世界の女の人は、涙目や上目遣いや目力といった、目の技を習得しているに違いない。


「はい、シェーラ様、、、」

「『シェーラ』」


 ――だから、そう睨まないでください。

 どうやら俺は、ミミとココネの【涙目上目遣い】にも弱いが、シェーラ様の【目力】にも弱いらしい。


「――わかったよ。シェーラ」


 ――こうして、旅の仲間が1人加わった。

 お姫様が勝手に出歩いていていいのだろうか、、、


◇◆◇


「それでシロウ様。この後はどこへ行きますの?」

「ご主人様、私も気になります」

「シロウ様、どうするの?」


 3人になり、文字通り姦しくなった夕食時。

 話の話題は旅の行先についてになった。


「そうだな、、、」


 ダンジョンでの戦闘で解決したい問題が浮上した。

 それは戦闘力だ。


 剛田はレベルが低かったのと、聖剣を1振りしか持っていなかったのでなんとかなったものの、、、

 ――もし、先にダンジョンでレベルを上げていたら?

 ――もし、王城に聖剣が2振りあったら?

 どちらか片方でも条件を満たしていたら、俺は負けていたと思う。


 それに勇者になっちまった今、もしかしたら魔王と戦う機会でも来るんじゃないかと、密かに不安に駆られたりしている。

 こういったテンプレは良く当たるものだ。


「――だから、戦力をどうにかしたい」

「シロウ様、、、 大胆なことを言うんですわね、、、」

「贅沢な悩みのような気がしますが、ご主人様の気持ちもわからなくはないです」

「『神鋼』を探すの?」

「確かに、『神鋼』で武器を作るのは魅力的なんだけど、ダンジョンボスからは少ししか取れなかったからなあ」


 今から王都に行って、一万体の『フルメタル・ゴーレム』を狩るのは得策ではない。

 ――っていうか、愚策だろうな。


「うーん、、、 どうしようか」

「シロウ様、それでしたらルジオールに行くのはどうでしょうか?」

「ルジオール?」

「はいですわ。ルジオールは冒険者が集まる都市でして、闘技大会と呼ばれる冒険者たちの強さを決める大会が定期的に開かれますわ。なので、冒険者を相手にする多くの職人が集まりますので、もしかしたら『神鋼』の情報も得られるかもしれませんわ」


 ――闘技大会か、、、

 なんか、そっちもテンプレ的な騒動に巻き込まれるような気もしなくはないけど。

 今のところ、他に行く当てがあるわけでもないのだし、、、


「それじゃ、そのルジオールに行ってみようか。ミミもココネもそれでいい?」

「ご主人様のお好きに」

「私も問題ないの」


 ――こうして、冒険者の町ルジオールに向かうことになった



これで3章は終わりです。

サイドストーリーを書こうと思ったのですが、中々思いつかなかったので、次から4章になります。

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