12話 剣核の開放
「――はあ!?」
剛田によって地面に叩きつけられた、聖剣『エクスカリバー』が折れた。
――ありえない、、、
聖剣があんなことで折れるなんて、、、 ――っ! いや、違う!
折れた聖剣『エクスカリバー』は、その力の波動を失ってはいなかった。
それどころか、力が増大しているっ!?
暫くすると、折れた『エクスカリバー』が光の粒子となって空中に広がる。
その光が再び集まり、剣の形を構成していく。
光が実体化され、新たな『エクスカリバー』となった。
俺はあわてて『アナライザー』を取り出し、【超高位鑑定】を発動させる。
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名前:聖剱『エクスカリバー』
レアリティ:不明
攻撃力:S
斬れ味:S
耐久性:S
恩恵: HP+2500
MP+2300
STR+2500
INT+2300
VIT+2400
AGI+2500
スキル:現状では存在しません
説明:聖剣『エクスカリバー』の剣核が解放された状態。
勇者のみ装備可能 ※作成者は装備可
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【超高位鑑定】によって謎が解けた。
剣が剱に変わっていて、スキルは無くなっているが、恩恵の値が驚くほど上がっている。
「――これが、剣核の開放か、、、」
確か、ルトリアの町の海龍討伐祭でやっていた劇の中で、英雄が魔剣の剣核を開放して海龍を撃退したとか言っていたはず。
代わりに、魔剣を失ったとも語っていた。
――そう、、、 剣核を開放した剣は失われるはずなのだ。
「俺なんか相手に、聖剣を犠牲にするのかよ、、、」
「そんなこと関係ねえ! ただ、俺が『かじし』なんかに負けることだけはあってはならねんだよっ!」
――狂っている。
剛田には、俺という名の敵しか見えていないらしい。
「――死ねっ! 『かじし』っ!」
「――くっ、、、」
半ば暴走状態の剛田の攻撃は、先ほどよりも随分荒々しいものになっていた。
しかし、聖剱となった『エクスカリバー』の恩恵が高すぎる。
躱せないことも多くなり、つい『オレイカルコス』の刀身で受け止める。
しかし、『オレイカルコス』は『エクスカリバー』を受け止めるたびに折れてしまう。
以前のスキルは無くなっているはずなので、これが剣核が解放された聖剱の斬れ味なのだろう。
折れた『オレイカルコス』を【瞬間再生】で直すものの、すぐに折られてしまう。
「――このままじゃ、MPが、、、」
「はっはっは!!! いいね、その表情が見たかったんだ。『かじし』にはそれがお似合いだぜっ!」
焦る俺を、満面の笑みを浮かべる剛田。
しかし、俺には打つ手がない。
「――くそっ、、、」
――剛田の攻撃を、なんとか凌ぐだけしかできることはなかった。
◇◆◇
「――【瞬間再生】、、、」
俺は、もう何度目になるかわからない【瞬間再生】を発動させ、『オレイカルコス』を直す。
至る所に攻撃を受けて、体中が痛みという悲鳴を上げている。
このままでは、HPの恩恵も怪しくなってくる。
「ひっひっひ、、、 いい気味だな『かじし』」
――どうする?
考えるんだ、、、
このままだと、本当に殺される。
また、あれを繰り返すことになる。
「いい加減死ねよっ!」
「そう、簡単に、くたばるかよ、、、」
なんとか、『オレイカルコス』で、攻撃を防ぎ、【瞬間再生】を発動させようとする、が、、、
「――MP切れか、、、」
「はっはっは。――ようやく終わりかっ!」
『オレイカルコス』以外に、【瞬間再生】のようなスキルを持つ聖剣は作っていない。
他の聖剣を使い捨てにすれば、もう少し戦えるかもしれないが、結局のところただの時間稼ぎにしかならない。
時間を稼いだところで誰かが助けてくれるわけでもない。
――ここまでか、、、
こんなことなら、仏心なんか出して、女の人を助けようなんて思わなければよかったのかもしれないな。
諦めようと思い、剣を持つ手から力を抜こうとしたとき――
『――私たちを使って?』
――誰かの声が聴こえた




