10話 聖剣『エクスカリバー』
「――ご、剛田、、、?」
女の人を襲おうとしていた男は、俺が異世界に来ることになった原因となった人物、、、
高校の卒業式の日、屋上から俺を突き落とした、剛田だった。
(ここは、勇者しか入れないはず、、、)
俺は剛田に向けて【超高位鑑定】を使う。
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名前:勇者『ゴウダ ツヨシ』
LV: 4
HP:2136
MP:1783
STR:1940
INT:1518
VIT:2066
AGI:1874
スキル
【勇者】【言語翻訳】【簡易マップ】【アイテムボックス】
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――やっぱり、剛田が召喚されたっていう勇者だったのか、、、
それより、ステータスがおかしい。
勇者だとしても、レベル4でこれはありえないだろう、、、
(あの剣、まさか、、、!)
剛田が背中に掛けている剣。
――なんとなくだが、強い力を感じる。
俺は、剣の方にも【超高位鑑定】を発動する。
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名前:聖剣『エクスカリバー』
レアリティ:不明
攻撃力:S
斬れ味:S
耐久性:S
恩恵: HP+1500
MP+1300
STR+1500
INT+1300
VIT+1400
AGI+1500
スキル:【一触全斬】MPを消費して発動する。触れたものを切り裂く。
説明:最高の金属『神鋼』を用いて最高レベルの職人が作った聖を冠する剣。
勇者のみ装備可能 ※作成者は装備可
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(――エクスカリバーっ!?)
剛田が装備していた剣は、やはり聖剣だった。
それも、かの有名な『エクスカリバー』の名前の、、、
(――『神鋼』で作られた聖剣はここまで強いのか、、、 恩恵の値も段違いだ)
俺が恩恵狙いで打った聖剣の2倍まではいかないが、1.5倍以上はある。
もともとの俺自身のステータスなんてものはあってないようなものなので、聖剣を2振り装備していなければ戦うことなんてできそうにない。
――けれど、逃げられない理由もある。
顔を見られたのもかなりの問題だし、それに、、、
「――てめえのせいで、俺の人生は最悪だよっ! それなのに、まだ俺の邪魔をするのかよっ!」
剛田は俺のことを逃がすなんて考えていないようだ。
その狂気に満ちた表情は、あの日の屋上のシーンを蘇らせる。
――忘れもしない。
俺がいじめられた日々も。
最後のいじめも。
いまだに恐怖で足が震える。
武者震い、、、ではない。
――俺は怖いんだ。剛田のことが、、、
でも、俺は変わった。
この世界にやってきて、少しずつだけど確かに変われたんだ。
――だから。
「――もう。逃げない、、、!」
「『かじし』のくせにいい度胸だな! いいぜ、もう一回殺してやるよっ!」
剛田は、背中の聖剣『エクスカリバー』を抜き、切っ先を向けてくる。
直接見てみると、そのすごさが良くわかる。
一片の曇りすらない黄金色の刀身は、刀匠として見ても素晴らしいものだ。
『エクスカリバー』の波動を受けるだけで、身がすくみそうだ。
(――確か、『エクスカリバー』のスキルには、触れたものを切り裂くってあったな)
俺はエクスカリバー対策に聖剣『オレイカルコス』を選択する。
もう一つの恩恵用の聖剣は『ハーゴード』を選んだ。
『オレイカルコス』のスキルは【瞬間再生】。
MPを消費して刀身を復活させることができるスキルで、フルメタル・ゴーレムのスキルと使い勝手は変わらないから、『エクスカリバー』と斬り合うには持って来いだろう。
『オレイカルコス』を抜き、正眼に構える。
剣術などは俺には無いが、この構えが一番しっくりくる。
「――はっ。『かじし』の分際で、聖剣を装備した勇者である俺に勝てると思っているのか?」
――確かに俺は鍛冶師で、しかもレベル1だ。
普通に考えたら、勝てる見込みなんてないのだろう。
しかし、、、
――俺には、聖剣を2振り持てるという有利な点がある




