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レベル1鍛冶師だけど、ゴブリン倒すために聖剣を作ります  作者: zephyrusu
第3章 レベル1鍛冶師だけど、聖剣使っていたら勇者になりました
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  SS 剛田 剛

サイドストーリーです。


「――あの日から、すべてが最悪だ」


 俺の名前は剛田ごうだ つよし。18歳だ。

 今は少年院に入っている。


 理由は、高校の卒業式の日のことだ。

 俺は入学した時から調子に乗っていた『かじし』をめていた。

 そこで、少しばかりやりすぎてしまった。


 ――いや、別に俺が悪いわけじゃない。

 屋上のフェンスがもろかったのが悪いんだ。

 それ以前に、隣にいたリョウが俺をしっかり止めれば良かったんだ。


 『かじし』は屋上から落ちて死んだ。

 そして、俺が捕まった。


「ふざけやがって!!!」


 苛立ちをぶつけるように、壁を殴りつける。

 しかし、少年院の壁は多少のことでは壊れないように設計されていて、手を痛めるだけだった。

 それが、また俺の苛立ちを加速させる。


「ふざけ、やがってっ!!!」


 今度は足で壁を蹴る。

 壁には薄くヒビが入るが、壊れることはなかった。


 ――しかし。


「――なんだ、これは、、、!」


 蹴りつけた壁に不思議な紋様――映画で出てくるような魔法陣らしいもの――が浮かび上がった。

 それは、不思議な引力を持っていて、俺の体が吸い寄せられていった。


◇◆◇


「――ここは、、、?」


 見たこともない場所だった。

 まるでテレビの中に出てくるお城のような、と例えるとしっくりくる。


「――よく来てくれた、勇者よ」


 いかにも偉そうな態度で椅子に座るおっさんが言葉を紡ぐ。

 その頭の上には王冠のようなものが乗っている。


 だが、それよりも気になったのは、おっさんの言葉だ。

 このおっさんは今、『勇者』と言った気がした。


「――勇者、だと?」

「その通りじゃ、この国、いやこの世界は魔族によって危機に瀕しそうになっている。そこで異世界より勇者の資格を持つものを召還する魔法を我が娘が使い、おぬしが召喚されたのじゃ」


 王様らしきおっさんの説明は、かろうじて意味は理解することができた。

 つまり、RPGのような世界に俺が勇者として召喚された、と。

 嘘かもしれないが、ここまで大掛かりなドッキリを少年院が行うはずもない。

 それに、、、


「――俺が勇者で、世界を救う、、、 おもしろそうじゃねえか!」


 ――そうだ。

 俺は勇者になる器の持ち主だ。

 カス1人殺したくれえで、牢屋に閉じ込められているほど、小さい人間じゃねえんだ。


「いいぜ、俺が世界を救ってやるよ!」


 ――俺の時代は、ここからようやく始まるんだ。


「うむ。良い心がけじゃ。だが、おぬしはこの世界に来たばかりでレベルも低い。このままでは魔族と戦うときに辛かろう。幸いこの城には先代の勇者が使っていた聖剣がある。恩恵も高いから、大概の魔物なら問題なかろう」

「――聖剣だと?」

「そうじゃ、勇者の資格の持つものでなければ装備することは叶わないが、装備することができれば赤子でさえ魔族と戦えると言われているものだ。それを装備して、この近くにダンジョンにてレベルを上げるがよい。――シェーラよ」

「――はい。お父様」

「勇者に付き添い、ダンジョンに行ってくるのだ。おぬしなら回復魔法も使えるから、好都合じゃろう」


 王様は、俺を召還したらしい姫様――シェーラに俺の付き添いを命じる。

 俺は勇者だっていうのに、このおっさんが上から目線が気に入らねえが、、、


(――この姫様、中々美人じゃねえか)


 是非とも味わってみってえ。

 ――世界を救うんだし、そのぐらいの役得はあってしかるべきだよな。


 ちょうど、そのダンジョンというところは、俺のために他の奴の出入りを禁止するらしい。

 ――楽しみだぜ。


◇◆◇


「――ようやく、このときが来た」


 王様の命令で、しばらくはこの世界の常識などを勉強させられた。

 昔から勉強は嫌いだったが、シェーラとダンジョン行くときのことを考え、乗り切った。


 ――おかげさまで、いろんな方法を考えちまった。


 そして、聖剣を含め、王様の命で集められた最高の装備を纏い、シェーラと一緒にダンジョンにやってきた。

 警戒されたら面倒なので、城での生活は我慢しておとなしくしていた。

 だから、シェーラもまさかこんなことになるとは思っていないだろう。


 このダンジョンは入ってすぐ、1階層にセーフゾーンがあるらしい。

 そこは、魔物が出てくることはなく文字通り安全な場所らしい。


 ――まあ、シェーラからしたら安全じゃないんだがな。


 そして、セーフゾーンに着いた瞬間。

 たまらず、今までの我慢をぶつけるようにシェーラに襲い掛かった。

 シェーラは抵抗してくるが、聖剣によって強化された俺の腕力から逃げることはできない。


「――騒いでも誰も来やしねえよ。ここには勇者以外は入れないんだからな」

「や、やめてください!」

「抵抗するなよ、俺を勝手に呼んだのはお前なんだから、このぐらい多めに見ろよ!」


 ――そうだ。

 魔族と戦わせるために、勝手に俺を召還したんだ。

 このぐらいやらせるが当たり前だ。


 なおもシェーラは抵抗を続けるが、次第に服が脱げていく。

 この体が今から俺の物に、、、


「――やめろよ」


 不意に現れた男が、俺とシェーラの間に割って入ってきた。

 だが、俺は勇者だ。

 こんな得体のしれないやつにどうこうされるわけが――


(――なんだ、こいつ、、、 俺より力が強えだと、、、)


 俺のステータスをモノともしないで、その乱入者の男は、俺とシェーラを突き放させてきた。

 バランスを崩し、俺とシェーラは互いに倒れる。


「――おっと、、、」


 それに気づいた、乱入してきた男がシェーラを庇う。

 あらわになっていたシェーラに、どこからともなく取り出したコートを羽織らせた。


「――早く逃げな」

「あ、あの、、、 ありがとうございます、、、」


 そして、あろうことか、、、

 ――シェーラを逃がしやがった。


(ふざけやがって、せっかくの俺の楽しみを邪魔しやがったな。――ぶっ殺してやる!)


「何しやがるてめえっ!!!」


 俺は、怒りのあまりに男に向かって叫ぶ。

 そして、振り返ったやつの顔を見た。


 ――ばかな、、、

 こいつは、、、


「てめえ、、、『かじし』かっ!?」


 ――俺が高校の卒業式の日に、屋上から突き落として殺したやつと同じ顔をしていた



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